大阪維新の会 東国原氏擁立の方針 「新党の目玉」都市部で出馬へ

[ 2012年9月5日 08:35 ]

 橋下徹大阪市長率いる大阪維新の会が次期衆院選に向け、近く立ち上げる政党の目玉候補に、東国原英夫前宮崎県知事を擁立する方針を固めたことが4日、分かった。中田宏前横浜市長、山田宏前東京都杉並区長も擁立する。国政進出方針は8日、大阪市内で開く全体会合で正式決定する。

 大阪維新の会は全国的に知名度が高い東国原氏を“選挙の顔”とし、無党派層の取り込みを目指す。大阪以外の都市部の選挙区での出馬を要請する方向。維新の会幹部が明らかにした。

 新党党首に就任する橋下氏は衆院選には出馬しない意向。地元の大阪を離れられない橋下氏に代わり、テレビ討論などにも慣れた東国原氏を目玉に据えることでさらなる“注目度アップ”を狙う戦略だ。

 抜群の知名度に加え、知事時代に宮崎県の特産品のトップセールスに取り組んだ実績がある。11年の東京都知事選では、石原慎太郎氏に敗れたが、無党派層の支持を集め約169万票を獲得し、次点となった。現在は大村秀章愛知県知事が立ち上げた「中京維新の会」の顧問兼応援団長に就任し、地域政党連携のつなぎ役も期待されている。

 中田、山田両氏は国会議員と自治体トップの経験をそれぞれ持ち、維新の会の看板政策である地方分権実現のための人材と位置付けた。野田佳彦首相と同じく、93年の衆院選で日本新党から出馬し初当選。その後、地方分権を訴え首長に転身した。山田氏に関しては、与野党にまたがる保守人脈も考慮した。橋下氏は「先陣を切っていろいろな改革に取り組んだ」と称賛。両氏は現在、大阪市特別顧問として「大阪都」実現に合わせ、8~9特別区への再編に関する区政改革に参画している。維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事は「国の制度を変えていく部分は完全に一致している」と評価。同会幹部も「行政手腕と知名度は選挙に有利になる。維新の会“ドリームチーム”の有望株だ」と期待を寄せる。

 3氏は同会が9日に市内で開催する公開討論会に参加し、次期衆院選公約「維新八策」に関して政策合意した後、新党に合流する見通し。

 討論会には、新党への合流が確実となっている民主党の松野頼久元官房副長官と石関貴史衆院議員、自民党の松浪健太衆院議員、みんなの党の小熊慎司、上野宏史両参院議員のほか、「減税日本」代表の河村たかし名古屋市長、大村知事も出席する。

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2012年9月5日のニュース