昭和、平成の落語界をけん引…立川談志さんが特別賞

[ 2012年8月30日 06:00 ]

<スポニチ文化芸術大賞>落語界に大きな足跡を残し、昨年11月に亡くなった立川談志さんが特別賞を受賞

第20回スポニチ文化芸術大賞 特別賞

 昭和、平成の落語界をけん引し、型破りな生きざまも愛された立川談志さんに特別賞が贈られる。長女の松岡弓子さん(48)は「生前の父は国からの賞(章)もお断りしていて、亡くなった途端に家族がひょこひょこと頂くのはどうかと思いましたが、これはありがたく頂戴いたします」と笑った。

 選考委員の山藤章二さんの推薦に弓子さんの喜びもひとしおだ。週刊現代に談志さんは「いや、はや、ドーモ」という連載を持っていた。イラストを手掛けていたのが山藤さん。「入院中に“この連載だけは絶対にやめないでください”と何度も何度も、父の心にしみる手紙を頂きました」と感謝を口にする。

 談志さんは昨年11月に75歳で死去。258日間にわたる介護日記を弓子さんは「ザッツ・ア・プレンティー」という一冊にまとめた。「遠からず死が訪れることを感じていたかもしれないし恐怖もあったんだろうなと思う。でもパパは言わなかった。それも優しさだったんじゃないでしょうか」

 07年12月18日、有楽町よみうりホール。伝説の「芝浜」に「本当に落語の神様が降りたと思った」と振り返り、父の噺(はなし)では「疝気(せんき)の虫」「二階ぞめき」「金玉医者」などが好きと明かす。「イリュージョンとかさんざん言ってたから(この世に)戻ってくるだろうと思ってましたが…。戻ってこないところを見ると、さぞかし上(天国)はにぎやかなんでしょうね」

 弓子さんは天を見上げてほほ笑んだ。

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2012年8月30日のニュース