クミコ ロスの教会で、広島で…きっと“ツナガル夏”

[ 2012年7月10日 07:25 ]

「きっとツナガル」を歌うクミコ

 歌手のクミコ(57)が24日(現地時間)、米国ロサンゼルスの教会で「きっとツナガル」を披露することになった。同曲は宮城県石巻市で被災したクミコが、3・11の夜を思って作詞したもので、当日は現地の子どもたちとの合唱も予定されている。8月6日の「原爆の日」には、広島でのステージも決まり、まさに歌で“ツナガル夏”になりそうだ。

 クミコの思いがようやく現実のものとなる。

 「とにかく世界中の人に、この曲を聴いてほしい。災害や戦争でつらく暗い夜を過ごし、その夜明けを待っている人たちが数多くいるはず。明けない夜はないことを歌で伝えたい」

 会場となるのは、米国ロサンゼルスの「First Lutheran Church」。命の大切さと平和を祈るには、最もふさわしい場所が用意された。当日は、地元の子どもたちらも参加して国境を超えて歌で心を一つにする。駆けつけた人たちに千羽鶴を折ってもらい、広島に届けることも計画されている。
 
 クミコがロスにこだわったのは、原爆の少女をテーマにした「INORI~祈り」を歌った際に知り合った、笹森恵子(しげこ)さん(86)がこの地に住んでいるからだ。広島で被爆した笹森さんは、今なお治療を受けながら平和へのメッセージを発信し続けている。「きっとツナガル」は、そんな笹森さんの「子どもたちに歌でメッセージを残したい。クミちゃんと歌を作りたい」との願いから、2人で作った作品だ。作詞家の湯川れい子さんが英訳を手がけた。昨夏、ライブの予定もあったが震災のため延期となった。クミコは「初めて生で聴いてもらえる。今から楽しみです」と話している。

 そして、8月6日。広島市交流会館大ホールで行われる「第11回ヒロシマ祭り」にも参加。石巻で津波にのみ込まれながらも、音色を取り戻した“再生ピアノ”も運びたい意向。

 原爆で壊滅的な被害を受け奇跡的に復興した広島で「どうしてもこのピアノをバックに歌いたい」というクミコ。当日は、ステージ上の200人の合唱団と2000人の観客の歌声が、一つになって会場に響き渡ることになりそうだ。

 ≪石巻でラジオ≫クミコは昨年12月16日から、コミュニティーFM、ラジオ石巻で「クミコの「きっとツナガルラジオ」をスタート。被災時が金曜日の14時46分だったことから、毎週金曜日のその時間にオンエア。4月4日にCDリリースされた「きっとツナガル」が番組のテーマ曲。毎回、地元の人たちも参加するなど交流を深めている。

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