新藤監督次男が記者会見「こんな映画人はもう出ない」

[ 2012年5月31日 18:05 ]

 5月29日に100歳で死去した新藤兼人監督の次男で、喪主を務める近代映画協会の新藤次郎社長(63)が31日、東京都港区の同協会で記者会見し、映画のことばかり話していた監督の最後の日々の様子を振り返った。

 4月22日に開いた誕生会で「さようなら」とあいさつした新藤監督。その後は体調がすぐれず、2度救急搬送されたが自宅療養を望んだ。亡くなる前日には、米国で映画を撮る夢を見ていたのか、寝言で「英語と日本語で2回撮るよ」と話したという。

 80歳以降は趣味をすべてやめ、映画に集中した監督。居眠りをしても「いや、考え事だ」と言い張るほどで、映画への情熱は衰えることがなかった。

 亡くなった当日は、監督の介護を6年間続けてきた孫の風さんが異変に気付いた。「顔がとても穏やかで、苦しむことなく天寿を全うしたかな」と次郎社長。「特異な映画人だった。年間10本を超える脚本を書き、無謀にも独立プロで映画を撮り続けてきた。こんな映画人はもう出ないだろう」と語った。

続きを表示

2012年5月31日のニュース