阿部サダヲ&菅野美穂で「奇跡のリンゴ」映画化

[ 2012年4月6日 06:00 ]

映画「奇跡のリンゴ」で夫婦役を演じる阿部サダヲと菅野美穂

 数々の困難を乗り越え世界で初めて無農薬リンゴの栽培に成功した青森県の農家・木村秋則さん(63)の波乱の半生が「奇跡のリンゴ」のタイトルで映画化される。木村さんには阿部サダヲ(41)、支えた妻には菅野美穂(34)が扮し、弘前市でオールロケ。海外からも注目されるリンゴの誕生秘話が銀幕に感動の花を咲かせる。

 無農薬リンゴから作ったスープを出す都内のレストランは半年先まで予約がいっぱい。長くみずみずしさを保つリンゴは06年にNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」が取り上げて全国に知られるようになった。

 関連本も8冊。とりわけ「奇跡のリンゴ」(石川拓治著、幻冬舎)はノンフィクションとしては異例の26万部を売り、これをベースに「チーム・バチスタの栄光」などで知られる中村義洋監督(41)がメガホンを取る。

 エキストラ出演も予定している木村さんは「“とにかく、諦めないで”というメッセージが映画を通じてたくさんの皆さんに伝わることを祈っております」とコメントを寄せた。

 無農薬、無肥料のリンゴ作りに取り組み始めたのは75年。きっかけは農薬アレルギーに悩む妻を思ってのことだった。それから花を咲かせるまでの足かけ12年に及ぶ試行錯誤の連続は筆舌に尽くしがたい苦労を伴った。害虫対策など、あれこれ工夫を凝らしてもことごとく失敗。極貧に耐え、周囲からは屈辱的な言葉まで投げられ、ついには自殺も試みる…。

 そんな苦労を乗り越えて起こった“奇跡の軌跡”が夫婦愛、家族の絆を盛り込んで紡がれる。阿部は「木村さんの雰囲気、そう簡単に出せるものではないと思っています。たくさん研究して、共演者、スタッフの方々と大事に育てて、素敵な“秋則”をつくりたいと思っています」と意欲を見せている。

 菅野も「両親が岩手県のリンゴを作っているところの出身ということもあり、何か縁をいただいたようにも感じます」と話している。山崎努(75)原田美枝子(53)らが脇を固め、音楽は久石譲氏(61)が担当。13年、全国東宝系で公開。

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2012年4月6日のニュース