依存症克服できず…ホイットニーさんの遺体からコカイン

[ 2012年3月24日 06:00 ]

ホイットニー・ヒューストンさん

 2月に急死した米人気歌手ホイットニー・ヒューストンさん(享年48)について、ロサンゼルス郡検視局は22日、遺体からコカインが検出されたと発表した。09年に米歌手マイケル・ジャクソンさん(享年50)が麻酔薬の影響で急死したのに続き、世界的スターの薬物による不幸な結末。芸能人たちの間に薬物が広がっている深刻な現状があらためて浮き彫りになった。

 共同電などによると検視局は、ヒューストンさんはコカイン使用と心臓疾患が影響して最終的に溺死したと指摘した。検視官は「事件性はない。倒れる直前にコカインを使用していた」と話している。心臓の動脈に60%の狭窄(きょうさく)があり、心臓疾患がコカインの影響で悪化。肺に水が入っていたことなどから、浴槽に沈んだ時点ではまだ生きていたとみられている。

 死因には関係ないものの、遺体からは大麻や抗不安薬の成分も検出された。AP通信によると、検出されたコカインは常習の分量で、抗不安薬や抗ヒスタミン剤は眠気を誘う強い成分も入っていた。遺族は「悲しい結末でしたが、これで幕を閉じることができる」などと語っている。

 ヒューストンさんは、02年に米テレビでコカインやアルコールの依存症に苦しんでいることを告白。04年には更生施設に入り、昨年5月にも再び依存症の治療を始めたと伝えられていた。世界の歌姫は結局、最後まで薬と手を切ることができなかった。

 米国の芸能界では、薬物汚染の広がりが深刻で、多くの歌手、俳優、女優が逮捕されたり亡くなったりしている。最近では若手女優のリンジー・ローハン(25)が07年にコカイン所持で逮捕されて以来、薬物での逮捕、保護観察、禁錮などを繰り返している。また、昨年7月には英国のグラミー賞歌手エイミー・ワインハウスさん(享年27)が薬物の過剰摂取で急死している。09年のマイケル・ジャクソンさんの死因にも麻薬が関係している。

 ヒューストンさんは2月11日、ビバリーヒルズにあるホテルの客室浴槽で、水に漬かった状態で死んでいるのが見つかった。外傷はなかった。

 ◇米芸能界の最近の主な薬物問題

 ▼ウィノナ・ライダー(女優) アカデミー賞ノミネート常連のスターだったが、02年に洋服などを万引した罪で逮捕。薬物カウンセリングを裁判所に義務づけられた。

 ▼マコーレー・カルキン(俳優) 映画「ホーム・アローン」で世界的に有名な子役となったが、04年に大麻と規制薬物所持で逮捕。

 ▼リンジー・ローハン(女優) 07年にコカイン所持や麻薬運搬で逮捕。保護観察処分を受けるも、保護観察条件を守らず禁錮刑を受けたり、10年には薬物検査で再び陽性反応が出るなどトラブルが続いている。

 ▼エイミー・ワインハウス(歌手) 08年にグラミー賞5部門を独占した人気歌手。アルコール依存や薬物使用でのリハビリ施設入りを繰り返し、11年7月に薬物過剰摂取で死亡。

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2012年3月24日のニュース