絆さらに深めた!福山雅治、20年ぶり“体育館ライブ”

[ 2012年3月19日 06:00 ]

石巻市の住吉中学校体育館でライブを行った福山雅治

 歌手の福山雅治(43)が18日、宮城県石巻市の住吉中学校の体育館で特別ライブを開催した。全国52局の民放FM局で生放送され、最新曲「生きてる生きてく」など10曲を熱唱。昨年の東日本大震災後に出演したチャリティーラジオ番組で同校の教諭と知り合い、同校への支援を続けてきた福山。ラジオを通じてできた固い絆をさらに深め、東北から全国へ元気を届けた。

 昨年10月まで避難所として使用されてきた体育館。ピーク時に約800人が暮らしていた場所に、福山は跳びはねながら登場した。「会いたかったぜ、石巻!熱いぜ、石巻!」。冷え込む体育館が、熱気に包まれた。

 学校でのライブは約20年ぶり。同校の生徒約300人や保護者ら、計約1000人を招待した。トーク中に話し声が聞こえると、「私語が多いぞ!先生が大事な話をしている時は聞きなさい」とおどけるなど、自らも新鮮な環境を楽しんだ。

 ラジオを通じて全国に元気を届けようと、全国民放FM52局で構成する「全国FM連合」が企画した「MEET THE MUSIC LIVE」。趣旨に賛同した福山が会場選定時に「住吉中でやりたい」と提案した。

 きっかけは福山がパーソナリティーを務め、昨年4月にニッポン放送でオンエアされた24時間チャリティー番組。津波の被害を受けた同校の竹内栄喜教諭(44)がメールで「掃除道具が足りません」と訴え、福山はスタッフを通じ、番組放送中にほうき、ゴミ箱などを届けた。

 自身は同6月と11月の2度にわたり同校を訪問。給食トレーや英語のリスニングに使うラジカセなどを持って行くなど交流を深めた。一方、学生時代にラジオ番組へネタを投稿する“はがき職人”だったという竹内さんは、ニッポン放送の福山の番組に石巻の様子を定期的に報告。先生同士で「この学校で歌ってほしい」と冗談交じりに話していたが、それが実現。「ドッキリかと思いましたよ」。竹内さんは熱い視線を送り続けた。

 福山は生放送中に7曲歌い、終了後は交流を機に同校が下校時に流すようになった「少年」など3曲を披露。最後には「形に残ることがしたい」とプレゼントした桜の苗木をステージに上げ、ヒット曲になぞらえ「坂道を造って“桜坂”と名付けていただいて構いません」と笑いを誘った。

 「元気な人は、今まで以上に元気に頑張ろう」と、言い続けてきた福山。いつも以上に元気なステージングで、全国へと元気を届けた。

 ≪“絆”の横断幕≫生徒には事前に復興イベントが行われるということだけ知らされていた。福山の来校を知ったのは当日。大きなサプライズとなり2年生の松川昂くん(14)は「復興へさらに進むための勇気をもらった」と感激していた。福山の支援に対し、生徒はお礼もしている。昨年末に横浜市で開かれた福山の年末ライブに生徒全員が寄せ書きをした巨大な横断幕を贈呈。体育館にも掲げられ、福山は「終わったら持って帰ります」と今後も大切にするつもりだ。

続きを表示

この記事のフォト

2012年3月19日のニュース