ベルリン映画祭…震災描いた平林監督の短編アニメが特別表彰

[ 2012年2月18日 10:15 ]

 開催中の第62回ベルリン国際映画祭で、14~17歳向け映画部門の授賞式が17日(日本時間18日)行われ、東日本大震災をテーマにした平林勇監督(39)のアニメ「663114」が短編の2席に当たる特別表彰を受けた。

 作品は、戦後66年間を過ごした土の中から出てきたセミが、地震や津波、放射線の被害を受けながらも土地に愛着を抱いて生きる物語。タイトルの数字は「戦後66年の3月11日に起きた4基の原発の事故」を指す。10代で構成された審査員は授賞理由を「シンプルな隠喩を通し、大惨事に直面しても文化は生き延びることを描いた」と述べた。

 平林監督は日本におり授賞式を欠席。「大震災から約1年たつが、まだまだ子どもたちは放射能の危険にさらされている。子どもを守るのはわれわれ日本の大人の責任。これからの日本を見守ってほしい」とのメッセージが代読されると会場から大きな拍手がわいた。

 平林監督は取材に対し「子どもたちのことを心配して作った作品が、ドイツの子どもたちにちゃんと伝わったことがうれしい」と喜びを語った。(共同)

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2012年2月18日のニュース