「ミス着物」の姉超えた!新井貴子さん 涙のグランプリ

[ 2012年1月24日 06:00 ]

<2012ミス日本グランプリ決定コンテスト>ミス日本グランプリに選ばれトロフィーを手にした新井貴子さんはうれし涙を流す 

 日本女性にふさわしい心と健康的で美しい体を競う「第44回2012年度ミス日本グランプリ決定コンテスト」(スポーツニッポン新聞社後援)が23日、東京・新宿の京王プラザホテルで行われ、大阪体育大3年の新井貴子さん(21)が選ばれた。オリックスの新井宏昌2軍監督(59)の三女で、昨年度「ミス着物」の寿枝さん(25)の妹。「海の日」は白鴎大4年の増田麻美さん(22)。こちらは同大教授を務めた日本ハムの栗山英樹新監督(50)の教え子だ。

 グランプリとして名前を呼ばれると、両手で顔を押さえて涙を拭いたが、手をどけると笑顔が待っていた。「天国から応援している母に伝えたいです。姉の後を追い続けて、やっと追い抜かすことができてうれしい」。10年11月に母・裕紀さんが乳がんで他界。ステージ脇にいた姉の寿枝さんは号泣し、見ていられないほどだった。

 史上3組目となる、姉妹受賞。連続した年での受賞は史上初だ。その父が現役時代に2000本安打の記録を打ち立て、名球会入りした新井監督。会場で晴れ姿を見届け、「シーズン前でこれから野球を頑張らなきゃいけないのに、ちゃんと務められるか心配のタネが一つ増えた」とうれしい悩みに困り顔を浮かべていた。アドバイスを送り支え続けた姉は「本当に本人がよく頑張った。おめでとう」と称えた。

 審査ではガチガチだったが、それを上回る元気さと明るさでカバーした。エントリーナンバー1番のため、審査員の質問に答えるのはいつも最初。考える時間が少なく不利な面はあった。それでも、自己紹介では「グランプリを積極的に狙っていきたい」と堂々と宣言した。

 3姉妹の末っ子。一番の甘えん坊で、母の死によるショックは大きかったが、「20歳までは好きなことをやりなさい」という母の教えを守り、大好きなスポーツに打ち込んだ。「半年前まではジャージーで学校に通っていた」というバリバリの体育会系。高校までバレーボール、大学ではバスケットボールとアメリカンフットボールの要素を融合した競技の「アルティメット」で日本一を目指した。ステージ映えする1メートル74の長身は、スポーツで得たものだ。

 将来はモデルを志し、「冨永愛さんのように世界で活躍したい」。これから1年間はミス日本として活動するが、「今までで一番元気で明るいミス日本だなって言ってもらいたい」と自分らしさを貫くつもりだ。

 ≪姉妹受賞は3組目≫過去に姉妹で受賞したのは2組。93年度グランプリの小岩井陽子さん、翌94年度に妹の小岩井明子さんがミス日本(当時の各賞)に選出。2000年度グランプリの出川紗織さんは、姉の出川香織さんが95年度のミス日本(同)に選ばれている。

 ▼審査委員長・酒井政利氏(エグゼクティブプロデューサー)昨年の震災があって、平穏な日常は消えてしまうかと思ったが、もう春はやって来たという喜びを感じた。日本人の五感にさりげなく訴えかける部分を持っていて、日本の伝統を携えている女性を選んだ。

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