でんでん 善人顔でひょうひょうと狂気の人

[ 2012年1月18日 06:00 ]

<毎日映画コンクール 男優助演賞 でんでん>「冷たい熱帯魚」で人間の内面にある狂気を見事に演じたでんでん

2011年毎日映画コンクール・男優助演賞

 初の助演賞にでんでん(61)は「うれしいですねえ。気分が高揚しますし、励みになります」と、あの人懐っこい顔をほころばせた。

 初の助演賞にでんでん(61)は「うれしいですねえ。気分が高揚しますし、励みになります」と、あの人懐っこい顔をほころばせた。「冷たい熱帯魚」でおぞましいビジネスに手を染めている連続殺人犯を怪演。善良顔の裏に極悪非道の本性を隠し、そのひょう変ぶりが見る者を震えさせた。ひとつ間違えば“悪乗り”と指摘されそうな危うさも、絶妙のさじ加減でひょうひょうとこなした。

 「よしっ、やってやろう!」と二つ返事で出演依頼を快諾。「緒形拳さんが主演した“復讐するは我にあり”が好きで」と悪人に魅力を感じていたと明かし、役作りは「粘土をペタペタとくっつけていく作業の感じだった」と続けた。

 「人をだます人間は相手にしゃべる隙を与えない」と役をのみ込み、マシンガントークは圧巻。せりふは街を歩きながら覚えたそうで、何度も循環させて血肉にしていったと振り返る。園子温監督(50)と昨年暮れに結婚した女優神楽坂恵(30)をいたぶる場面もあったが「(2人の関係を)知ってたらできなかったねえ」と苦笑い。

 渥美清さんに憧れて福岡から上京。日本テレビ系「お笑いスター誕生!!」への出演を機にこの世界に飛び込んだ。31年前のデビュー映画は昨年12月に死去した森田芳光監督の「の・ようなもの」だ。「また森田ワールドに染まってみたかった」と、この時ばかりはしんみりした顔をのぞかせた。

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