オペラや現代邦楽を作曲 三木稔さん死去

[ 2011年12月8日 14:16 ]

死去した作曲家の三木稔さん

 日本史をテーマとしたオペラの連作や大島渚監督の映画「愛のコリーダ」の音楽などで知られる作曲家の三木稔(みき・みのる)さんが8日午前4時55分、敗血症のため東京都三鷹市の病院で死去した。81歳。徳島市出身。自宅は東京都狛江市東野川1の11の6。葬儀・告別式は12日正午から川崎市多摩区南生田8の1の1、春秋苑で。喪主は妻那名子(ななこ)さん。

 東京芸大卒。1964年、邦楽にスピード感などの現代的な要素を盛り込むことでファン層の拡大を図る「日本音楽集団」の設立メンバーとなり、新たな可能性を模索した。

 75年には、谷崎潤一郎の小説を題材にしたオペラ「春琴抄」を作曲。なかにし礼さんが台本を手掛けた「静と義経」や、瀬戸内寂聴さんが遣唐使のドラマを描いた「愛怨」など、日本人のアイデンティティーにかかわる作品「日本史オペラ」を9作、完成させた。

 このほか映画音楽や合唱曲「レクイエム」を作曲。工藤直子さんの詩集「のはらうた」に曲をつけるなど幅広く活躍した。

 日中韓の伝統楽器によるオーケストラ・アジアを設立。山梨県北杜市で開かれる「八ケ岳『北杜国際音楽祭』」を創立し、芸術監督を務めた。

 94年に紫綬褒章、2000年に旭日小綬章を受章した。

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2011年12月8日のニュース