さらば談志さん…親友が、弟子が“贈る言葉”

[ 2011年11月25日 06:00 ]

TBSラジオ番組に緊急生出演し、親友の談志さんについて語る毒蝮三太夫

立川談志さん死去

 喉頭がんのため21日に75歳で亡くなった落語家の立川談志(たてかわ・だんし、本名松岡克由=まつおか・かつよし)さんを悼む声は25日も芸能界から相次いだ。談志さんが芸名の名付け親で、約60年来の親友の毒蝮三太夫(75)はラジオ番組で「声が出ないで生きながらえるより、フェードアウトして良かった」と高座復帰にこだわった故人を毒舌でしのんだ。

 毒蝮はTBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」に生出演。23日午後2時ごろ、スポーツジムに行っていた時に悲報に接し「数えたら58年の付き合い。あれだけ物をパパッというやつ。声が出ないで生きながらえるより、フェードアウトしてよかったと思う」と心境を明かした。

 最後に会ったのは約5カ月前。談志さんは声が出ず、筆談で会話を交わした。「医者から悪くなることはあっても良くなることはないと言われた」という話を聞かされ、「もう十分に覚悟していました」と明かした。数々の思い出も「アイツが“おまえ、泣くなよっていうから”」と懸命に笑顔で語り続けた。

 毒蝮は、子役時代から本名「石井伊吉(いよし)」で映画や舞台に出演。68年に「笑点」に座布団運びで出ている時、司会の談志さんから「怪獣に負けないような芸名にしたほうがいいじゃねえか」と助言され、現在の芸名になり、さらに活躍の場を広げた。「ここに座っていられるのも毒蝮になったおかげ」。最後はしみじみと感謝の気持ちを語った。

 立川流第1号の弟子で放送作家の高田文夫氏(63)は、パーソナリティーを務めるニッポン放送「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」で思いを語った。訃報を伝える24日付スポーツ各紙を見て「見出しには感謝するよ。“上から読んでも下から読んでも、だんしがしんだ”って師匠が昔から言ってたけど、本当に見出しになるわけないと思ってた。スポニチから何から、そうしてくれて、かっこいいよなあ」と感慨深げ。「最期の姿を弟子に見せないなんて家元らしい。見事だよ」と称えた。弟子の立川志らく(48)も急きょ出演。「9月に見舞いに行ったときはもう話せなくて。“人生こんなもんだい”って紙に書いてくれた」と明かした。

 50年以上親交がある山藤章二氏(74)も電話出演し「談志前、談志後と落語の歴史を大きく変えた男だった」。大親友の野末陳平氏(79)も「マネしろったってマネできない生き方」と豪快な一生を称えた。

 弟子の山本晋也監督(72)は「希有(けう)の天才。僕自身はいつも怒られてたけど」と思い出を振り返った。

続きを表示

2011年11月25日のニュース