阿部寛 初の海外公演で“蜷川シェークスピア”

[ 2011年9月12日 06:00 ]

シェークスピア作品に初挑戦する阿部寛

 俳優の阿部寛(47)が、蜷川幸雄氏(75)演出の舞台「シンベリン」でシェークスピア作品に初挑戦し、来年5月に自身初の海外公演となるロンドン公演を行う。「いい緊張感を味わっている」とシェークスピアの“本場”への進出に燃えている阿部。大竹しのぶ(54)とのW主演で、日本では4月に上演される。

 阿部と蜷川氏とのタッグは今回で4作目だが、シェークスピア作品への出演は初めて。「初めてのシェークスピア、しかも本拠地イギリスで上演するということで、不安と期待でいい緊張感を味わっています」と“聖地”での公演に心を高ぶらせている。

 阿部を高く評価してきた蜷川氏は、09年に9時間に及ぶ大作舞台「コースト・オブ・ユートピア」の主演に抜てき。「あの過酷な舞台を乗り切ったのだから」と、より信頼を深めた。阿部とダブル主演する大竹も“世界に行ける女優の1人”と評価。シェークスピアの生まれた英国での公演に、最も頼れる2人を選んだ。大竹は「シェークスピアのセリフを言うのは役者として大きな喜び。蜷川さんとの信頼関係が、より強くなるよう新たなものをつくりたい。阿部さんは優しそうな方なので、とにかく楽しんで仲良くできたら」と意気込んでいる。

 「シンベリン」は数多くの試練を乗り越え、大団円を迎えるロマンス劇。阿部は紳士ポステュマス役で、大竹が妻イモージェンを演じる。蜷川氏が98年から、シェークスピア全37作品を舞台化しようと始めた「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の第25弾。

 ロンドン公演(バービカン・シアター)は来年5月29日から6月2日まで上演。五輪を目前に控えた同市で行われる「ワールド・シェークスピア・フェスティバル」の一環。全37作品が上演されるが、アジア勢で唯一オファーを受けた。蜷川氏は「シェークスピアを愛するアジアの演劇人にとって、このような場で世界の多くの人々にシンベリンを見ていただけることに緊張を誇りを感じます」としている。

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2011年9月12日のニュース