新藤監督 新作であいさつ 「映画は私が死んでも死なない」

[ 2011年8月6日 13:30 ]

新作映画「一枚のハガキ」の公開初日、舞台あいさつに登場した新藤兼人監督

 現役国内最高齢の映画監督で、広島市出身の新藤兼人氏(99)が原爆の日の6日、新作映画「一枚のハガキ」の公開初日を迎え、東京都新宿区の映画館で舞台あいさつに登場した。

 映画は、監督が自らの戦争体験に基づいて脚本も手掛け、一人の兵士の死による家庭の崩壊と再生を描いている。監督は「最後の映画」としており、昨年の東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞した。出演は豊川悦司や大竹しのぶら。

 6日は広島市でも先行公開、13日から全国公開される。

 新藤監督が被爆の悲惨さを描いた映画「原爆の子」(1952年)はことし、原爆投下国の米国の劇場で初めて一般公開されている。

 車いすで登壇した新藤監督は「この映画は、戦争のばかばかしさがテーマ。皆さんと力を合わせてつくった映画は、私が死んでも死なない。そのことを望みに死にたい」とユーモア交じりに話し、会場から盛んな拍手を浴びた。

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2011年8月6日のニュース