北島三郎 初の被災地入りで涙「歌わせてください」

[ 2011年7月1日 06:00 ]

演歌キャラバン隊の復興支援コンサートで歌う北島三郎(右)

 北島三郎(74)鳥羽一郎(59)ら演歌歌手5人が30日、津波で甚大な被害を受けた岩手県釜石市で東日本大震災の復興支援コンサートを行った。社団法人日本音楽事業者協会(音事協)の被災地支援活動「演歌キャラバン隊」の第3弾。初めて被災地入りした北島は「歌わせてください」と涙ぐみながらあいさつし、「北の漁場(りょうば)」「まつり」などを熱唱した。

 約1000人から「サブちゃん」コールが送られると、北島の目が潤んだ。「きょうから頑張って行くぞ!釜石のあすへつながるようにみんなで歌おう!」。威勢のいい掛け声を飛ばして歌ったのが代表曲「まつり」だった。

 会場は同市の製鉄業の歴史などを展示する「鉄の歴史館」駐車場。野外ライブなどに使われるステージトラック上で、歌詞の一部を♪これがみんなのまつりだよ――と替えて出演者全員で大合唱。震災から3カ月半が経過しても大量のがれきが残る市内に明るい歌声を響かせた。

 津波で自宅が流され現在は仮設住宅に暮らす主婦(50)は「サブちゃんが本当に来てくれたなんて…生きる活力をもらいました」と目頭を押さえた。大船渡市から来た男性(64)は「全部流されてしまったけど、きょうは来て本当によかった」と感謝した。

 震災で壊滅的な被害を受けた三陸沿岸の水産業に携わる人たちを励まそうと、「北の漁場」も熱唱。元漁師の鳥羽も「兄弟船」を歌うなど海にまつわる楽曲を披露した。

 コンサート前には鳥羽、小金沢昇司(52)北山たけし(37)山口ひろみ(36)と釜石港に足を運んだ。北島は漁師の家庭に育ち海への思い入れが強い。芸道50年の中で海の歌を多く歌ってきた。港内に設けられた献花台に花を供え津波の犠牲者を悼み「こんなに優しい海が町をあんなにぐちゃぐちゃにするなんて。人ごとだとは思えないんだ。悔しいよね。こんなにイヤな思いはきょうまで。これからいいことがあるということを伝えたい」と荒れ果てた市内とは対照的な穏やかな波を見やった。

 一行はこの日夕方、宮城県気仙沼市の気仙沼小学校も訪れ、同様のコンサートを開催し3000人以上にエールを送った。

 ≪ラグビー冠大会開催に前向き≫北島は釜石市でのラグビー大会開催に意欲を見せた。同市は社会人ラグビーで一時代を築いた新日鉄釜石がかつて活動するなど「ラグビーの街」としても有名。高校時代にラグビー部に在籍していた北島は、復興支援の一環として自身の名前を冠した大会を開く案について「機会があればやりたいね」と前向きに話した。

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