サブちゃん封印解いた“幻の曲”ファミリーで熱唱

[ 2011年6月14日 06:00 ]

北島ファミリーチャリティーコンサート。ラストに「まつり」を熱唱する北島三郎

 演歌歌手の北島三郎(74)を中心とする北島ファミリーが13日、東京・五反田ゆうぽうとホールで東日本大震災の復興支援公演を行った。約500曲の持ち歌から「今までコンサートで歌ったことがない」という曲「足跡は明日へ続く」を原田悠里(56)、小金沢昇司(52)ら5人と熱唱。♪やがて来る春を信じて…と被災地に向け、歌に祈りを込めた。

 「三陸、みちのくは演歌とは切っても切り離せない場所。自分も漁師だったから、津波の被害を受けた方々は家族同然だと思っている。なぐさめや励みになる応援歌を歌っていきたい」

 熱い思いを込めた一曲が「足跡は明日へ続く」だ。96年発売の「清き流れ」のカップリング曲で、昨年亡くなった星野哲郎氏(享年85)が作詞し、北島が作曲。「どうしても北島ファミリーで歌いたかった」との思いで選曲したという。封印を解いた理由について「歌詞の内容がこういう世の中に合っていたし、被災地へ元気を送れる曲でもあった」と説明。約1500人の前で愛弟子たちと熱唱した。

 「海で働く人には海の歌、山で働く人には山の歌と、生活と切り離せないのが演歌」が信条。海の歌にヒット曲が多い。震災後は歌いにくくなった曲もあった。「北の漁場」は「了解を得た上で“男の死に場所サ”から“男の仕事場サ”に変えた」と明かし、「ステージでは暗くなったら良くない。明るさや元気をいっぱい送りたい」と情熱的に歌い上げた。

 今年は芸道50周年の節目。記念公演となるはずだった日生劇場(千代田区)公演は、4日目の3月11日のステージ中に震災に見舞われ、途中で中止となった。この日は、福島第1原発事故で福島県双葉町から埼玉県内に避難している100人を招待し「このつらさを乗り越えた先に、きっといいこと、楽しいことが待っていると信じています」と語りかけた。

 公演の収益全額は日本赤十字社を通じて被災地へ寄付する。30日からは鳥羽一郎(59)らと岩手県釜石市、大船渡市など被災地を訪問するコンサートツアーを予定。

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