児玉清さん通夜…「HERO」“悲しい同窓会”に

[ 2011年5月21日 06:00 ]

故・児玉清さんの祭壇

 16日に胃がんのため死去した俳優の児玉清(こだま・きよし、本名北川清=きたがわ・きよし)さん(享年77)の通夜が20日、東京都文京区の護国寺桂昌殿で営まれた。共演俳優やテレビ局関係者ら約900人が弔問。01年のフジテレビ「HERO」で共演したSMAP木村拓哉(38)はドラマ撮影のため参列できず、「現場で目線を下げて温かく接してくださった」と追悼コメントを発表した。

 「HERO」で若手検事を温かく見守るベテラン検事を演じた児玉さん。同作の出演者では松たか子(33)、八嶋智人(40)、阿部寛(46)が弔問。松と八嶋は悲しみに暮れた表情で、報道陣に対応することなく式場を後にした。阿部は「80、90代でも活躍していただきたかった。77歳は早い…」と悔やんだ。

 木村は参列することを強く希望していたが、この日は10月にスタートするTBSの連続ドラマ「南極大陸(仮)」の収録が夜遅くまで入っていたため断念。代わりに通夜の開式時間に合わせてコメントを発表。「現場では、いつも周りのスタッフや共演者に気を配り、常に目線を下げて温かく接してくださったことが印象的です。寂しいですが、児玉さん、お疲れさまでした。ゆっくりお休みください」と悼んだ。

 「HERO」の児玉さんは出演シーンは多くはなかったものの、収録に参加したときはいつも、木村や松ら若手俳優と楽しそうにしていたという。

 誠実で質素な人柄同様、祭壇もシンプルなものだった。36年間司会を務めたテレビ朝日系「パネルクイズ アタック25」では、赤、青、白、緑と色とりどりのパネルを背にしていたが、“最後の舞台”はほとんど白一色。菊、コチョウラン、バラなどの花で飾られた。その中央の遺影で、児玉さんは黒いスーツ姿で穏やかに笑っていた。

 写真は07年に、日本テレビのドラマ「ドリーム☆アゲイン」に出演した際、PRの取材で撮影されたもの。遺族が「この表情がいい」と選んだという。

 「HERO」の“悲しい同窓会”のようになってしまった通夜。21日午前11時半からは、同所で葬儀・告別式が営まれる。

 ◇主な参列者 司葉子、阿部寛、松たか子、八嶋智人、天海祐希、反町隆史、松嶋菜々子、谷原章介、玉木宏、多部未華子、タカアンドトシ(以上俳優、タレント)、浦川泰幸、加藤明子(以上朝日放送アナウンサー)、北方謙三(作家)、篠沢秀夫(学習院大名誉教授)=順不同、敬称略=

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2011年5月21日のニュース