大友&西田「上を向いて…」支援のアカペラデュエット

[ 2011年4月4日 06:00 ]

「上を向いて歩こう」をデュエットで録音した大友康平(左)と西田敏行

 東日本大震災で被害を受けた宮城県塩釜市出身のロック歌手大友康平(55)と福島県郡山市出身の俳優西田敏行(63)が、被災地への義援金を募るため、故坂本九さんの名曲「上を向いて歩こう」を一緒にアカペラで録音した。その動画を投稿サイト「ユーチューブ」で5日から配信。動画の最後に「頑張ろうニッポン!」と2人で寄付を呼びかけている。

 大友と西田はなじみの都内の焼き肉店で知り合って以来、東北出身の仲間として付き合ってきた20年来の友人。互いに歌手&俳優の顔を持つところも共通している。震災が起きた時もすぐに連絡を取り合った。

 深刻な被害が明らかになっていく中、大友によると「自分たちの故郷に音楽を通じてできることはないかと先輩(西田)に相談したんです。そして思いついたのが一緒に歌って動画サイトで寄付を呼びかけることだった」。選んだ歌は「上を向いて歩こう」(作詞永六輔、作曲中村八大)。

 ♪上を向いて歩こう 涙がこぼれないように――で始まる歌詞に加え、世界中の人が目にするインターネットで呼びかけるのなら「全米No・1ヒットした、日本が誇る世界的名曲のこの歌こそふさわしいと思った」という。

 「大がかりにはしたくない」との思いから、シンプルにアカペラでの二重唱。都内で吹き込んだのは今月1日。「気持ちを込めることだけを考えて歌った」という。

 「康平」という名前を付けてくれた塩釜神社(塩釜市)は無事だったものの、多くの親類や友人が被災した。それは西田も同じ。動画には2人で「頑張ろうニッポン」「負けないぞ東北」の熱いメッセージも吹き込んだ。

 募金の口座はユーチューブと大友の公式ホームページにアップした動画にテロップで掲示。日本赤十字を通じて復興の義援金に充てられる。

 西田は「僕が歌うことで一人でも多くの方に笑顔が戻りますように」と言い、歌入れ後すぐに故郷へ向かい、地元のスーパーで福島産野菜の安全性をアピールした。大友も「被災地以外にいる僕らに一体何ができるのだろうと考えるきっかけになれば」と強調。今月中にも現地へ物資支援と炊き出しに行く意向だ。

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2011年4月4日のニュース