「WEAVER」滝川二高でサプライズ熱唱

[ 2011年3月1日 06:00 ]

滝川二高の「三送会」でサプライズライブを行っWEAVER。全国高校サッカー選手権大会で優勝したサッカー部のメンバーと。中央左から、奥野翔太、杉本雄治、河邉徹

 全国高校サッカー選手権大会で初優勝した滝川二高(神戸市)の「三送会」(3年生を送る会)が28日、同校体育館で開かれ、大会で応援歌「キミノトモダチ」を担当したバンド「WEAVER」がサプライズライブを行った。

 「最後に私たちからプレゼントです。良い思い出にしてください」。野村啓太教諭(29)の言葉を合図に、一度降りた緞帳(どんちょう)が再度上がると「何?」と卒業生270人がざわついた。響き始めた重低音のリズムとともにメンバー3人が登場。大歓声とともにボルテージは最高潮に達した。

 WEAVER初のサプライズライブ。手拍子が自然と起こり、足でリズムを取る生徒や、涙を流す女子生徒も見られた。「キミノ…」の演奏前にはボーカル杉本雄治(22)が「この曲があったから皆さんと出会えた」とあいさつ。4曲を熱演し、最後は在校生を含む800人が総立ちとなった。

 同校の寮監を務める野村教諭が「いろんな思い出をくれた3年生にプレゼントがしたい」とダメ元でオファー。3人は「神戸出身の僕らが応援歌を歌った年に、神戸の高校が優勝した。これも一つの縁」と快諾。極秘に計画を進め、前日は生徒が帰宅後の深夜にリハーサルを行った。

 終了後にはサッカー部と対面し、あらためて優勝を祝福。大会得点王でJ1清水入りするFW樋口寛規(18)は「応援歌が聴けて、ジーンとした」と感激していた。

 高校の同級生でバンドを結成し、軽音楽部設立を目指すも挫折した3人。学校でのライブ経験はないだけに、杉本は「体育館でライブができて本当にうれしかった」と感激。「高校で出会った3人でもっと頑張っていきたいと思いました」と、メンバーの絆をより深める機会となった。

 ◆WEAVER 杉本雄治、奥野翔太、河邉徹の3人組で、いずれも22歳。県立神戸高校の同級生4人で04年結成、07年に現体制に。09年10月にデビュー。昨年のオリコン年間ランキング新人部門ではKARA、少女時代に続く3位。配信限定で発売していた「キミノトモダチ」「『あ』『い』をあつめて」の2作を、16日にレンタル限定CDでリリースする。

 ▽滝川二高 1984年(昭59)開校。神戸市西区。校訓は「至誠一貫、質実剛健、雄大寛厚」。サッカー部は選手権出場16回。06年に高円宮杯全日本ユース選手権で初優勝。日本代表FW岡崎慎司(シュツットガルト)、MF金崎夢生(名古屋)らを輩出。野球部は甲子園出場5回。卓球部や陸上部、剣道部も全国大会の常連。

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