[ 2010年8月6日 06:00 ]

「椿姫」に勝るとも劣らない素晴らしいステージが繰り広げられた「ラ・ボエーム」の一場面

 また、一昨年、サイトウ・キネン・フェスティバルで上演された「利口な女狐の物語」(ヤナーチェク)の演出でも感じたことですが、ダンスが織り込まれていたり、衣裳のセンスが抜群だったりと、ちょっとした舞台の転換の工夫が上手いのもペリの持ち味のように感じました。奇抜なことをしていないのに飽きさせない。ノセダやキャストの演奏や歌唱もまた同じ。トリノ王立歌劇場はイタリア・オペラのスタイルや作品の本質から外れることはなく基本に忠実ながらも、ディティールへのこだわりを積み重ね、今まで観て来たものに新しい輝きを与え、興奮させてくれたのです。

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2010年8月6日のニュース