[ 2010年8月6日 06:00 ]

奇をてらわず作品の本質に迫ったローラン・ペリのステージ(C)K・Miura

 幕切れも通常とは少し違う演出。ヴィオレッタが死ぬ間際にジェルモン父子は舞台から突如消え去っていくのです。彼女は1人で最期を迎え、観客に看取られることになります。演出家のローラン・ペリが何を意図していたのかははっきりとは分かりません。ただ冒頭のシーンと同じく、登場人物の心理をいろいろと想像させる仕掛けになっていたと思います。これまで数え切れないくらい何度も上演され、観客にも一定のイメージが出来上がっている名作「椿姫」の世界に新らたな一面を想起させる演出であったことは間違いありません。

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2010年8月6日のニュース