伝説再び!沖縄バンド「紫」が34年ぶり新作

[ 2010年5月15日 06:00 ]

復活する紫。(前列左から)比嘉清正、ジョージ紫、宮永英一、(後列左から)下地行男、JJ、Chris。

 日本のハードロックの草分けバンド「紫」が34年ぶりに新作アルバムを制作した。「PURPLESSENCE」のタイトルで、6月9日に発売される。

 紫は1970年、キーボード奏者のジョージ紫(年齢非公表)をリーダーに沖縄県で結成。バロック風のハモンドオルガンに、ギタリスト2人の演奏が絡むスタイルでハードロックの様式美を追究。当時、絶大な人気を誇った英バンド「ディープ・パープル」を手本に、「日本のディープ・パープル」と呼ばれた。
 スタジオ録音のオリジナルアルバムの発売は76年12月の「IMPACT」以来。78年からはメンバーチェンジを重ね、バンド名を「NEW紫」に変えて活動した時期もあった。07年に6人組で再結成。多くは60歳前後になったが、沖縄を拠点に全国でライブ活動を続けている。
 音楽界に和製ハードロックの新風を注いだ70年代は、ロックに日本語は合わないと言われた時代。紫は、当時のコザ市(現在の沖縄市)などで米軍関係者らを相手に演奏していたため英語で歌っていた。今回も全10曲の歌詞はすべて英語。また、スタジオジブリ作品「ゲド戦記」などを手がけたアニメ音楽界の巨匠、寺嶋民哉をストリングス・アレンジに迎え、新機軸も打ち出している。
 ディープ・パープルと紫の双方に詳しい音楽評論家の酒井康氏は「日本のハードロックの原点となり、頂点を極めた紫の復活は、まさに奇跡以外のなにものでもない」と話している。

 ◆紫 現在はジョージ紫(キーボード)、Chibiこと宮永英一(ドラムス)、比嘉清正(ギター)、GGこと下地行男(ギター)、JJ(ボーカル)、Chris(ベース)の6人組。70年に結成、76年4月に第1弾アルバム「MURASAKI」を発売。沖縄から成功したロックグループの先駆けで、77年にはロック雑誌「ミュージックライフ」の人気調査で国内部門1位に。

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2010年5月15日のニュース