回復はするが、治らない…酒井法子被告、生涯にわたる試練

[ 2009年10月26日 17:34 ]

 覚せい剤使用・所持の罪に問われた女優酒井法子被告(38)が26日の初公判で絶縁を誓った覚せい剤。一般的には、依存性が高いと「回復はするが、治らない」とされ、再犯率が高くなる。民間リハビリ施設代表者は脱却の難しさを「ゴールなきマラソン」に例える。

 覚せい剤は脳の中枢神経に作用。心拍数の急上昇などで高揚感を与えた後、反動で頭痛やめまいを伴う抑うつ状態に。心身の苦痛から逃れるため再び手を出し、使用量に拍車が掛かっていく。
 「生涯にわたって『今日1日だけ使わない』という日を積み重ねていくしかない」。薬物依存者のリハビリに取り組む日本ダルク本部(東京)の代表近藤恒夫さん(68)は悪循環から抜け出す難しさを説明する。
 ダルクではスタッフも全員が薬物使用経験者。施設内で依存者同士が寝食を共にしながら薬物を使わずに生活できる術を身に付けるプログラムを実践している。
 柱は集団ミーティングで、それぞれが「本当は使いたくてたまらない」などと本音を正直に吐露しあう。実際にやめ続けている仲間や「先輩」の存在が励みや支えとなり、お互いに薬物使用をけん制できる効果がある。
 プログラムをこなすだけで1年以上かかるが、「今日1日だけ使わない」と考えられるようになり、退所後に薬物を使いたくなっても、自発的に自助グループのミーティングに参加したり、仲間にすぐに相談したりするなど、使用を回避する行動を取れるという。

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2009年10月26日のニュース