「女優主演賞」小池栄子10年前の“罵倒”に感謝

[ 2009年1月22日 06:00 ]

女優主演賞を受賞しポスター前で笑顔を見せる小池栄子

 毎日映画コンクールの各賞が決定し、女優主演賞には「接吻」で天分を見事に開花させた小池栄子(28)が輝いた。小池は初の栄冠。

 「オーディションを受けては落ち、自信を無くした時期もある。やっとスタート地点に立てた気がします」。女優をやりたくて芸能界入りしたのが97年。遅咲きの花を咲かせ、小池の喜びもひとしおだ。
 「接吻」ではテレビに映った猟奇犯罪者(豊川悦司)にひと目ぼれする京子を演じた。いちずな愛を貫き、獄中結婚の果てに衝撃的なクライマックスが待つ難役。女優としての潜在能力をいかんなく発揮した。
 最初はオファーを断ったものの、尊敬する鈴木京香(40)の助言にも後押しされ参加。「バラエティー番組で過ごした10年間はどうしても、発散するような、いじめるような役しかできなかった。それが京子を通して、自分の根暗な部分を発見したり、本当の自分と向き合うことができた。見た人から“いま京子は幸せになっているのか心配”と思ってもらい、心に残る(演技)とはこんなことなのかなあ」と今までにない手応えをつかんだ。
 デビュー後、バスト91センチのFカップアイドルとして巨乳ブームをけん引。本人の希望とは裏腹に人気は上がっていったが、「グラビアをやっていく中でどんどんお芝居とは離れていった」と不安も感じ、たまに出演したドラマでは、監督から「使ったのは失敗だった」と面と向かってけなされたこともある。「お芝居をやりたいと思っていることを恥ずかしくて言えなくなった」とトラウマになったが、一方で「その言葉がなければ頑張れなかった。当時は死んでしまえと思ったけれど、10年たってその人に感謝するとは思わなかった」としみじみ語る。
 07年8月にプロレスラー、坂田亘(35)と結婚し、公私ともに順調。「この賞をきっかけに今まで注目してくれなかった監督が呼んでくれたらうれしいな」。栄光の女優人生はこれからだ。

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2009年1月22日のニュース