三田佳子「ぜひ、ハンカチのご用意を」

[ 2008年11月3日 06:00 ]

夫役の篠田三郎と熱演する主演の三田佳子

 スポーツニッポン新聞社が創刊60周年記念事業で主催する舞台「三丁目の夕日」が3日、東京・日本橋浜町の明治座で開幕する。2日には公開稽古が行われ、主演の三田佳子(67)は「ハンカチのご用意を」と感動作に仕上がったことをアピール。昭和のヒット曲を歌う場面でフランク永井さんの「有楽町で逢いましょう」を披露する左とん平(71)は、永井さんの悲報に「ウルッときた」と悼んだ。

【明治座公式サイト


 「倉田洋装店」「ナチュラル電気商会」…。レトロな看板が並ぶ昭和30年代の商店街を再現したステージに、夕日町三丁目の住民が勢ぞろいした。第1幕のラストシーン、商店街30周年の記念写真を撮影する場面だ。
 全員で「苦しいときの神頼み!」と叫んだところでパチリ。続いて、人情悲喜劇の舞台は一転、ミュージカル調に。「嵐を呼ぶ男」(石原裕次郎)、「黄色いさくらんぼ」(スリー・キャッツ)など昭和のヒット曲が次々と披露される。倉田洋装店店主役の三田は、大学講師の夫役の篠田三郎(59)と「いつでも夢を」(橋幸夫と吉永小百合)をデュエット。稽古後、セットを見渡し「東映に入社した昭和35年当時、撮影所のまわりにこんな商店街がありました。歌も懐かしいわあ」と笑顔で話した。
 紙芝居屋さん役の左とん平の担当は、偶然にもフランク永井さんの曲。悲報がこの日、伝えられると「よく一緒に仕事をしたので、性格まで分かってました。歌っていてウルッときちゃったよ」とポツリ。三田も寂しそうにうなずいた。
 先月11日の稽古初日に「映画版とは違う感動をお届けしたい」と宣言した三田のもと、3週間、「みんなで命をかけて稽古した」という。それだけに娘役の国分佐智子(31)須藤温子(25)ら総勢55人の出演者の息はぴったり。家族、近所との触れ合いの大切さを前面に押し出した舞台に仕上がった。
 ロビーには駄菓子を売る小屋もあり、劇場全体で昭和30年代を演出。「今、社会はとても苦しいとき。高度経済成長時代の活気を味わって、元気になっていただきたい」と三田。「泣いていただく場面もたくさんあります。ハンカチのご用意を」と呼びかけた。

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2008年11月3日のニュース