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トヨタとソフトバンク提携 自動運転車で診察、宅配 共同出資会社設立へ

[ 2018年10月4日 20:09 ]

 トヨタ自動車と携帯電話大手ソフトバンクは4日、自動運転車を使った移動サービスなどの分野で戦略的提携に合意したと発表した。両社の提携は初めて。自動走行中に車内で患者を診察しながら病院まで送り届けたり、注文が入った料理を作りながら宅配したりするサービスを2023年以降に始める方針だ。

 共同出資で設立する新会社「モネ テクノロジーズ」を通じて実施する。公共交通機関のない過疎地で移動に困る「交通弱者」の問題を解消して地域活性化を目指す。

 新会社は18年度中に事業を始め、出資比率はソフトバンク50・25%、トヨタ49・75%。社長にはソフトバンクの宮川潤一副社長が就く。資本金は20億円で、将来的に100億円まで増やす。新サービスにはトヨタが開発中の電気自動車(EV)「e―Palette(イーパレット)」を活用。公道で自動運転車を走らせるため、政府に国家戦略特区の申請を検討する。海外展開も視野に入れている。

 トヨタの豊田章男社長は東京都内で記者会見し、ソフトバンクが世界の配車大手と関係が深いことに触れ「移動サービスの会社を目指す上で協力は必要不可欠だ」と話した。ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は「今回を第1弾として(トヨタと)第2弾、第3弾と深く、広い提携が進むことを心から願っている」と述べた。

 新会社は19年度から地方などで利用者の需要を正確に把握し、効率的にタクシーやバスを配車するシステムを事業者や自治体向けに展開する。過疎地で車を持たない高齢者を送迎するサービスや、会社員が通勤に使う企業向けシャトルバスの運行を支援する。

 国内の他の自動車メーカーなどにも合流を呼びかける。トヨタの友山茂樹副社長は「いずれ仲間を増やす。オールジャパンでやりたい」とした。

 トヨタとソフトバンクは米配車大手ウーバー・テクノロジーズを通じたつながりがある。ソフトバンクグループはウーバーの筆頭株主で、トヨタは自動運転分野でウーバーと提携を深めている。

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