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福祉車両、選択肢広がる オープン車、色も充実

[ 2018年5月4日 17:34 ]

ホンダが発売した軽自動車「N―BOX」の福祉車両。車いすのまま乗り込める
Photo By 共同

 高齢者や手足が不自由な人に向けた「福祉車両」の選択肢が広がってきた。オープンカーも登場するなどモデル数が充実し、車体の色も豊富な種類から選べる。メーカー各社は「特別な車」という印象を払拭し、身近に感じてもらうために知恵を絞る。

 ホンダは4月、軽自動車「N―BOX」に車いすのまま乗り込めるモデルを追加し、発売した。意識したのは日常生活での使い勝手の良さだ。福祉車両は荷室などに特別な装備が付いているため、居住空間が狭くなるといった課題があった。

 N―BOXではスロープの収納方法などを工夫し、車いすを乗せないときは大人4人がゆったりと座れるようにした。車体の色も15種類と、標準タイプとほぼ同数を用意した。

 開発責任者の白土清成氏は「将来、介護が必要になる人にも買ってもらえる」と浸透に自信を示す。

 マツダは昨年9月、オープンカー「ロードスター」に、足が不自由な人でも運転できるモデルを設定した。運転席に特殊な器具を備え、左手でアクセルやブレーキを操作できる。オープンカーへの設定は異例だが、「多くの人に走る喜びを感じてほしい」(広報担当者)との思いがあったという。

 日産自動車はスポーツタイプ多目的車(SUV)「エクストレイル」やミニバン「セレナ」など売れ筋の車種に福祉車両を広げている。

 日本自動車工業会によると、2017年度の福祉車両の販売台数は約4万3千台だった。10年前と比べると2割増え、高水準の販売が続いている。高齢化を背景に需要の増加が見込まれており、メーカー各社が開発を競っている。

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