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日産新車6万台販売停止 無資格検査で規定違反 大量リコールも

[ 2017年9月29日 22:55 ]

 日産自動車は29日、出荷前の新車で国の規定に違反する無資格検査が見つかったため、日産や販売店が在庫として持つ約6万台の販売を停止すると発表した。対象はノートなど21車種に上る。国内に六つある全ての完成車工場で検査不備があった。販売済みの車でも不備が見つかれば100万台を超える大量リコール(無料の回収・修理)に発展する可能性がある。

 国土交通省は29日、日産に業務体制の改善などを指示した。道路運送車両法違反に当たるかどうか精査する。他の自動車メーカーにも不備がないか確認を求めた。

 石井啓一国交相は「(登録の)制度の根幹を揺るがす行為であり、極めて遺憾だ。再発防止の徹底について厳正に対処したい」とのコメントを出した。

 検査不備は9月18日の国交省の立ち入り検査で見つかった。完成車工場では車体の組み立てや塗装を経て、出荷前にエンジンやブレーキの作動など多くの項目を検査する必要がある。この最終検査を、日産が正規の検査員として認定していない「補助検査員」が行っていた。補助検査員の仕事は本来、最終段階より前の工程の検査に限られている。

 日産の広報担当者は取材に対し、リコール対象車両が100万台を超える可能性があると明らかにした。新車として販売し、最初の車検を受けていない3年間分の車両を調査し、多くに規定違反の恐れがあると判断した場合、大量リコールになる。車検を受けた車両は安全が確認されたとして調査しない。

 工場は追浜工場(神奈川県横須賀市)、栃木工場(栃木県上三川町)、日産自動車九州(福岡県苅田町)、日産車体湘南工場(神奈川県平塚市)、日産車体九州(福岡県苅田町)、オートワークス京都(京都府宇治市)。

 日産自動車ジャパンコミュニケーション部の浜口貞行部長は国交省で記者会見し「深くおわび申し上げる」と陳謝した。

 21車種はシルフィ、ノート、ジューク、キューブ、リーフ、マーチ、GT―R、フーガ、スカイラインなど。救急車やトラック、バスなども含まれる。

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