ビアンキ 作業車に激突、意識不明のまま搬送 頭部緊急手術

[ 2014年10月6日 05:30 ]

F1シリーズ第15戦の日本グランプリの事故で、大破したジュール・ビアンキのマシン

F1日本GP決勝

(10月5日 鈴鹿サーキット)
 雨の鈴鹿で悲劇が起きた。マルシャ・フェラーリのジュール・ビアンキ(25=フランス)が、12番手を走行中の43周目にコースアウトして作業車に激突。意識不明の重体となり、四日市市の三重県立総合医療センターに搬送されて頭部の緊急手術を受けた。レースは事故の影響で44周(当初53周)で打ち切られ、メルセデスのルイス・ハミルトン(29=英国)が今季8勝目、通算30勝目を挙げた。2年ぶり4度目の母国GPとなったケータハム・ルノーの小林可夢偉(28)は19位だった。

 事故が発生したのはダンロップコーナーと呼ばれる第7コーナー。42周目にザウバー・フェラーリのスーティルが車体の制御を失い、スピンしながら側壁に激突。即座にイエローフラッグが振られてレースはスローダウンしたが、スーティルのマシンを除去するためのクレーン車が作業していたところ、同じようにスピンしながらビアンキの車体が作業車後部に激突したという。

 側壁はタイヤバリアーで弾性があるため、スーティルは無事。ビアンキも本来なら事なきを得るはずが、鋼鉄のクレーン車に突っ込むという不運が重なった。事故を目の当たりにしていたスーティルは「トリッキーなコーナーだし、雨で視界も悪くなっていた」と話した。

 台風18号の影響で早朝から雨が降りしきり、レースはセーフティーカーに先導されスタート。2周を走り終えたところで一度中断し、約20分後に再開されるという悪天候も重なった。決勝時間を早める検討もなされたが、結局予定通り午後3時にスタート。スーティルは「早めるべきだった」とも言及。“強行”した主催者側を暗に批判した。

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