ビッグスリー復活 日本車品質での優位揺らぐ「ライバル台頭脅威」
トヨタ自動車の2011年の米新車販売が4年連続で前年割れとなったのは、東日本大震災で部品供給が滞り生産が大幅に減少したことに加え、米国の大手3社(ビッグスリー)の復活で、従来のような品質面での優位性が揺らいでいることが背景にある。
トヨタは11年3月の震災により、北米での生産が台数ベースで正常化するまで半年かかった。減産による販売への影響は約40万台に上ったほか、在庫面ではまだ震災前の水準に完全には戻っていないなど、震災が販売減の大きな要因であることは間違いない。
ただライバルが力をつけているのも事実。09年に経営破綻した米ゼネラル・モーターズ(GM)は、破綻前に重荷となっていた巨額の年金負担などの問題を解消したことで、1台当たりのコストが低下し、円高に苦しむトヨタを尻目に価格競争力が上昇。
米業界団体が昨年12月に選出した安全性に優れた車種のうち、トヨタの15車種に次いでGMが14車種、米フォードも12車種が選ばれるなど、品質面でも米国車は大幅に向上しており、「日本車とほとんど差がない状態」(自動車アナリスト)。
トヨタ内部でも「震災は一時的なものだが、ライバルの台頭の方が脅威」(幹部)との声が出ている。(共同)
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