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“おにぎり職人”の元世界王者・山中竜也が現役復帰を表明「ライトフライで世界獲って10回防衛したい」

[ 2021年12月18日 14:29 ]

真正ジムの興行で現役復帰を表明した山中竜也(右)と山下会長
Photo By スポニチ

 プロボクシング元WBO世界ミニマム級王者の山中竜也(26)が18日、エディオンアリーナ大阪第2競技場で行われた真正ジムの興行で現役復帰を表明した。

 「ルールが変わり、またプロとして真正ジムでボクシングできることになりました。(同ジムの)山下会長をはじめ関係者のみなさんに感謝しています。目標はライトフライ級で世界を獲って10回防衛したい。必ず前回現役だった自分を超えます」

 18年7月に2度目の防衛に失敗。その後に硬膜下血腫と診断され、日本ボクシングコミッション(JBC)のルールに基づき、引退した。これまで頭蓋内出血を発症した選手は自動的にライセンスを失効し、その後も取得できなかった。JBCは今月9日付けで再発の可能性が健常者と変わらない場合、ライセンス再発行を認めるとする新たな規定を示した。山中は順調に回復しており、新規定を適用される。

 引退後に第2の人生として、19年から大阪の繁華街・北新地でおにぎり店「おにぎり竜」の店長を務めていた。だが、リングへの未練を断ち切れず、20年からランニングを再開。21年1月以降は中学卒業から身を置いた真正ジムで練習を積み重ねてきた。

 山中はこれまでにスポニチの取材に応じ、「今回の復帰は究極の自己満足。最低でも前回以上の結果」と語っている。今回は階級を上げて復帰する。そこで世界王者に返り咲いた上で、複数回の防衛を重ねることが目標だ。脳内出血からの復帰という前例なき挑戦を、店の厨房に立ちながら続ける。

 なお、この日の興行には山中の妹、菫(真正)がアトム級6回戦に出場し、樽井捺月(山木)に判定2―1で勝ち、通算4勝(1KO)とした。山中はこの点にも触れ「妹も今日勝ったので、きょうだいで世界チャンピオンを目指します」と抱負を語った。

 ◇山中 竜也(やまなか・りゅうや) 1995年(平7)4月11日生まれ、大阪府堺市出身の26歳。小学校時代に漫画「はじめの一歩」を読んでボクシングに興味を持ち、美原西中1年で近所の男性にボクシングを習う。当時から憧れは世界3階級制覇の長谷川穂積。同氏が所属する真正ジムに中2の夏から通う。高校に進まずジムの寮に住み、時給850円のカツ丼店でアルバイト。12年6月にプロデビュー。16年11月に東洋太平洋ミニマム級王座獲得、17年8月にWBO世界同級王座獲得。18年7月に2度目の防衛に失敗し、同8月に硬膜下出血のために引退。1メートル62。右ボクサーファイター。通算16勝(5KO)3敗。6人きょうだいの長男。

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2021年12月18日のニュース