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ストロング小林佑樹の相手は比嘉大吾 大みそかのWBOAPバンタム級タイトルマッチ

[ 2020年12月4日 14:47 ]

2度目の防衛戦に臨むストロング小林佑樹
Photo By スポニチ

 プロボクシングのWBOアジアパシフィック・バンタム級王者のストロング小林佑樹(29=六島)が4日、大阪市住吉区の所属ジムで会見し、31日に東京・大田区総合体育館で2度目の防衛戦に臨むと発表した。相手は元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(25=Ambition)だ。WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(31=Ambition)と同級1位の田中恒成(25=畑中)が激突する大一番の直前、セミファイナルとして実施される。

 新型コロナウイルス対策として、ジム前の駐車場スペースを利用した“青空会見”に臨んだ小林は「自分がチャンピオンですけど、比嘉選手は世界を獲っていて格上。挑戦者の気持ちです。しっかり勝って東京でアピールしたい」と意気込んだ。バンタム級の世界ランクは小林がIBF9位、WBO13位、比嘉がWBA10位、WBC15位。伯仲しているという見方もできるが、デビューから15連続KO勝利の記録を持つ元世界王者に敬意を表した。

 武市トレーナーも2人の立ち位置に関する見解は同じ。「どう考えても比嘉選手の方がネームバリューはある。小林のことは誰も知らない。でも、この試合に勝てば世界へ名乗りを上げられる。名前を売りたい。(ボクシング界は)コロナ禍で(海外から選手を招へいできない状況のため)国内でつぶし合っている。強い選手と、しのぎを削りチャンスをモノにしないとダメな時代」とこの試合の意義を強調した。

 小林は18年12月に東洋太平洋バンタム級王座決定戦に臨んだ際からハードな3部練習を続ける。朝はロードワーク、午後は3時から坂道でダッシュと武市トレーナーが乗る自転車を押す下半身強化トレーニング、夜にジムワーム。その試合は12回判定0―3で敗れたものの、栗原慶太(一力)に4度のダウンを喫しながら、ジャッジ3者とも2点差という接戦に持ち込んだド根性ファイターだ。武市トレーナーは「負けたけど、最後までスタミナが落ちなかった。その延長線上でチャンスが来て(現在保持する)タイトルを獲れたし、あそこで小林のボクシングが確立された」と振り返る。小林は「試合をあまり覚えてないけど、あれだけ倒されても無意識で立てたのは“あれだけ練習してきたから”と自信になった」と述懐する。昨年12月の初防衛成功以来1年ぶりの試合に向けても、3週間にわたり3部練習をこなし順調に仕上げている。

 今回の試合が決まった際、小林の第一声は「勝てますかね?いけますかね?」と不安を多量に含んだものだった。武市トレーナーは「スタミナ勝負なら負けへん自信がある。他は分からん」と腹をくくっている。さらに「「今からアウトボクシングはできないし、正々堂々とぶつかります」とファイター同士の激しい打撃戦を予告。現在保持する王座を獲得した際は苦手のサウスポー対策として、試合1カ月前から自身もサウスポーに転向する“奇策”を成功させた。「今回もサウスポーにスイッチ?やるかもしれないし、やらないかもしれない」と煙幕を張っていた。

 相手の比嘉は18年4月にWBC世界フライ級王座のV3戦で計量に失敗して王座剥奪。日本ボクシングコミッションから科されたライセンス無期限停止処分が昨年10月に解除され、今年2月の復帰戦を6回TKO勝ち。その後、白井・具志堅ジムを離れ、6月に井岡と同じ所属となり、10月に移籍初戦のバンタム級10回戦で堤聖也(角海老宝石)と引き分けている。

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2020年12月4日のニュース