×

40歳堀川が18歳下のホープ冨田破り通算4本目のベルト獲得 東洋太平洋ライトフライ級王座決定戦

[ 2020年7月25日 21:37 ]

プロボクシング東洋太平洋ライトフライ級王座決定戦   ○同級9位・堀川謙一(40=三迫) 10回1分47秒TKO 同級1位・冨田大樹(22=ミツキ)● ( 2020年7月25日    神戸市立中央体育館 )

40歳で4本目のベルトを巻いた堀川謙一
Photo By スポニチ

 ランキングで言えば番狂わせ。しかし内容は完勝だ。堀川は立ち上がりから、いきなりの右、左フックなど小さくキレのあるパンチを有効に使い、主導権を握った。3回に相手ジャブを「真っ正面からガーンと」被弾し鼻から出血。「自分はインターバルに鼻から大きく息を吸う。(ルーティンが妨げられ)ちょっと、しんどかった」。そう振り返るものの、勢いは衰えない。4回終了時の公開採点は4点差1人、2点差2人でいずれも堀川を支持した。

 5回から劣勢の相手の振りが大きくなる。ガードを固める、あるいはボディーワークやフットワークでかわしつつ、的確にヒットを重ねた。8回終了の公開採点は8点差1人、4点差2人とリードをさらに広げた。決着は10回。ワンツーを効かせてロープへ追い込むとラッシュをかけてレフェリーストップを呼び込んだ。

 「倒せて良かった。(冨田の)左ジャブは何度か、いいのをもらったけど。自分の方は右も左も良かったと思う」

 現役最多を更新し続けているキャリアは今回で58戦目となった。日本ボクシングコミッションによる37歳の“定年”はとっくに過ぎている。タイトル戦線で活躍しているからこそ活動が認められている。「35歳から変わってませんよ。もっと言えば、みんな“30歳過ぎたら衰える”と言うけど、自分の感覚では変わっていません。それを言い訳にしないように。負けたら年齢のせいにされるけど、自分を追い込んで節制、精進すれば勝てる」。18歳下のホープを破った直後だけに、よけいに説得力がある。手数、パンチの正確性、スタミナの全てで22歳を圧倒する内容に、所属の三迫貴志会長は「私自身、こんなに感動したのは初めてかも。ビックリする内容。頭が下がる」と最敬礼した。

 本人は今後について「分からない。やめたいと言えばやめたいけど。しんどいですもん」と周囲の笑いを誘いつつ、「そんなことはないですよ」と後ろ向きの発言を取り消した。その笑顔を見る限り、当面グローブをつるす気はなさそうだ。

続きを表示

この記事のフォト

2020年7月25日のニュース