田口良一が引退 尚弥戦が思い出「あの試合があったから世界王者になれた」
ボクシングの元WBA&IBF世界ライトフライ級統一王者・田口良一(32=ワタナベ)が20日、都内で会見し、現役引退を発表した。13年間のプロ生活にピリオドを打ち「今はすがすがしい気持ち。悔いはない。世界王者になって7度防衛、2団体統一なんて夢にも思っていなかったので大満足です」と心境を語った。
転機は13年8月、井上尚弥(大橋)を挑戦者に迎えての日本王座の初防衛戦。判定0―3で敗れたが、「あの試合があったから世界王者になれた。逃げずに戦って良かった」と振り返った。
ボクシングを通じて得たものは「人とのつながり」。前日には競技を始めるきっかけとなった漫画「はじめの一歩」の作者・森川ジョージ氏と念願の初対面。引退を報告し、ねぎらいの言葉をもらった。「たくさんの人に支えられてきて感謝しかない。これからも感謝を忘れず、謙虚でいたい」。現在はトレーナー修業中で、将来的にジム開設を目指すという。引退セレモニーは来月10日に後楽園ホールで行われる。
◆田口 良一(たぐち・りょういち)1986年(昭61)12月1日生まれ、東京都大田区出身の32歳。06年7月プロデビュー。07年全日本ライトフライ級新人王。13年4月、日本同級王座獲得。14年12月、ロセル(ペルー)に判定勝ちしてWBA世界同級王座、17年12月、メリンド(フィリピン)との統一戦を制しIBF同級王座を獲得。プロ戦績は27勝12KO4敗2分け。身長1メートル67・8。右ボクサーファイター。
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