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京口、日本人対決制してV2 地元・大阪で防衛「ホッとした」

[ 2019年10月2日 05:30 ]

WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦   〇(スーパー王者)京口紘人《判定3―0》(同級1位)久田哲也● ( 2019年10月1日    エディオンアリーナ大阪 )

10R、久田(右)を左ボディで攻める京口(撮影・北條 貴史)
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 スーパー王者・京口紘人が、世界王者として初めて上がった地元・大阪のリングで2度目の防衛に成功した。プロ16年、46戦目で世界初挑戦のベテラン久田哲也との激闘の末に3―0で判定勝ち。男子世界戦では令和初となった日本人対決を制し、プロデビューからの連勝を14に伸ばした。

 腫れ上がった顔が激闘を物語っていた。予想を超える久田の執念に苦しんだ末のV2。控室で心境を問われた京口は「ホッとしたというのが一番。(9回に)ダウンを奪えたのは良かったけど、自分の長所をつぶされた」と息を吐き出した。

 立ち上がりは上々だった。だが、2回に右ストレートを顔面に浴びて、流れは挑戦者に傾く。焦らず冷静にジャブを突いて立て直し、中盤以降は地力の差を見せたが、バッティングやローブローもあって流れを引き戻せず、3~7点差をつけての完勝にも「気持ちが強く、いいファイターでした。勉強になった」と久田を称えた。

 6月の初防衛戦では「4回KO」を予告しながら消化不良の判定勝ち。勝って当然の対戦の難しさを痛感させられた。その反省もあり、あえて厳しい環境に身を置くため8月にフィリピン合宿を実施。野心に満ちた現地選手との練習で王座奪取に執念を燃やす挑戦者に負けない精神力を養い、終盤の壮絶な打ち合いにも耐え抜いた。

 ワタナベジム唯一の現役世界王者としての自覚は強い。試合のない期間も体重が増えすぎないように節制。ミニマム級時代は最大59キロあったが、最近は56・5キロ前後を維持している。また、自ら練習メニューを提案するなど、ボクシングに取り組む姿勢も変化した。「もっと上に行く使命があると思う」。高みの先に見据えるファン待望のビッグマッチ。「来年は統一戦とかもやりたいですね」とWBC王者・拳四朗らとの王座統一戦に前向き。念願だった凱旋防衛をクリアし、次の一歩を踏み出す。 

 【世界戦の日本人対決】

 ☆王者有利 日本人同士の世界戦は過去に38試合あり、王座決定戦、王座統一戦を除く34試合の勝敗は王者が28勝(13KO)、挑戦者が6勝(1KO)で、王者の勝率は82%超。

 ☆名勝負 94年12月、WBC世界バンタム級王座統一戦で王者・薬師寺保栄と暫定王者・辰吉丈一郎が激突し、薬師寺が判定勝ち。09年11月、WBC世界フライ級王者・内藤大助に亀田興毅が挑み、2階級制覇を達成。12年6月、WBC世界ミニマム級王者・井岡一翔がWBA同級王者の八重樫東との激闘を制し、日本初の世界2団体統一王者に。

 ◆京口 紘人(きょうぐち・ひろと)1993年(平5)11月27日生まれ、大阪府和泉市出身の25歳。3歳から空手を始め、小6でボクシング開始。大阪帝拳ジムで元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎の指導を受ける。伯太高―大商大を経て16年4月プロデビュー。17年7月にはIBF世界ミニマム級王座を獲得し、国内最速となるデビューから1年3カ月で世界王者に。18年大みそかにWBA世界ライトフライ級スーパー王座を獲得し、2階級制覇を達成した。身長1メートル62、リーチ1メートル62、右ボクサーファイター。

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