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田中恒成 「目指せ!“塩”試合」その真意は…

[ 2019年7月24日 17:57 ]

V2戦に臨む田中恒成(左)とスパー相手を務めた加納陸
Photo By スポニチ

 8月24日に2度目の防衛戦(名古屋市港区・武田テバオーシャンアリーナ)に臨むWBO世界フライ級王者・田中恒成(24=畑中)が試合まで1カ月となった24日、名古屋市内の所属ジムでスパーリングを公開した。

 同級1位の指名挑戦者、ジョナサン・ゴンサレス(28=プエルトリコ)は世界戦で初めて対戦するサウスポー。左対策を入念にこなし、順調な仕上がりの世界3階級王者の口から驚くべき言葉が飛び出した。

 「目指せ!“塩”試合」

 卓越したスピード、確かな技術を備えながら、いかにもプロらしい負けん気を感じさせるファイトが魅力の一つだ。例えば15年12月のWBO世界ミニマム級王座の初防衛戦。リーチが長いビック・サルダール(フィリピン)に手を焼いてポイントを奪われ続け、5回には右ストレートをまともに食らってダウンを喫した。しかし続く6回に左ボディーで鮮やかな逆転KO勝利。最も縁遠いはずのワード「塩試合」を持ち出した真意は何か。前記の言葉にはもちろん続きがある。

 「(パンチを)当てるより、もらわない。そっちでペースをつかみたい」「なぜディフェンス重視にするか。ペース、距離をつかむため。つかめば思い切り、いいパンチを当てられる。攻撃のための守備」

 侮れないスピードを持つサウスポーをどう料理するか。それを考え抜いて至った結論が守備でリズムをつかむ「塩試合」だった。そう言いながら「(KOは)いつもと違う狙い方になる。判定になっているようではダメ」とファンの期待に応える快勝を期す。

 この日は1階級軽いライトフライ級のWBCユース王者で日本3位・加納陸(21=大成)と計4回のスパーリングを披露。初、2回と左ストレートをもらう場面があった。距離感をつかんだ2回途中からはクリーンヒットを許さず、踏み込んでの右ボディーストレート、右ストレートからバックステップを挟んでの左フックなど押しまくる展開。取り組みの成果の一端を示した。それでも本人は「(相手のパンチを)外す距離はつかめたけど、(自分のパンチを)当てられる距離はつかめなかった」と満足できない様子。

 スピードがあり、体格も似たサウスポーということで仮想ゴンサレスを務めた加納は「一つ避けても次の手が飛んできている。強く速いパンチが来て、さらに強いのが来る。距離も遠かった。さすが世界チャンピオン」とすっかり脱帽した。田中は25日以降も加納と集中的にスパーリングをこなし、左対策の習熟を目指す。

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2019年7月24日のニュース