伊藤、凱旋初防衛!流血何の7回TKO「想定外」接近戦も修正

[ 2018年12月31日 05:30 ]

WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦   ○王者・伊藤雅雪 TKO7回2分11秒 同級1位エフゲニー・チュプラコフ● ( 2018年12月30日    大田区総合体育館 )

3R、チュプラコフ(左)に右フックを放つ伊藤(撮影・島崎忠彦)
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 WBO世界スーパーフェザー級王者・伊藤雅雪(27=伴流)が同級1位の指名挑戦者エフゲニー・チュプラコフ(28=ロシア)を7回TKOで下し、初防衛に成功。中盤から完全に主導権を握り、7回にラッシュ。相手陣営が棄権を申し出た。日本人ボクサーとして37年ぶりに米国で世界王座を奪取した伊藤は凱旋の舞台となった年末興行で見事に主役の大役を果たした。

 声援が、雰囲気が心地良かった。日本で初めての世界戦、初めての年末興行のメインで堂々のKO勝利。伊藤は「最後はKOで締めたいと思っていたので良かった。(凱旋は)誇らしいような恥ずかしいような…気持ちは良かったですね。“イトー!”って声もうれしかった」と興奮気味に振り返った。

 米国での世界戦前はナーバスになったこともあったが、今回は前夜に都内の自宅に戻り、家族と過ごしてリラックス。この日午後に再びホテルに戻って一人の時間をつくった。

 「枕に顔を埋めてリングに上がる瞬間を何度もイメージした。凄くドキドキして…でも、最後は“どんなことが起きても乗り越えられる”って気持ちになれた」

 チュプラコフが前に出てくることは予想していたが、密着されるのは「想定外」。序盤は気負いもあって接近戦に付き合う形になり、3回にはバッティングで左目上をカットするアクシデント。だが、セコンドの助言で距離を修正し、中盤以降は完全に主導権を握った。7回に手応えのあった右フックから猛ラッシュ。相手陣営が棄権を申し出た。

 下町の亀戸出身で、過去にはJRA(日本中央競馬会)のテレビCMに出演し、今夏には女優の吉岡里帆らが所属する芸能事務所「エー・チーム」とも契約したイケメンボクサー。熱いハートを持ち、大きな夢を掲げて、それを実現する行動力もある。ボクサーとして高みを目指し、妻子を残して米ロサンゼルスで長期合宿を敢行。国内でのトレーニングでは運動能力を最大限に引き出すためビジョントレーニングなど最新の科学トレを導入した。ジムワークも独特で、トレーナーとの間に“約束事”が存在するミット打ちは行わない。シャドーボクシングでイメージを高め、スパーリングで感覚的な部分を磨いた。

 自分が信じた道を突き進み、米国で獲得したベルトを日本のファンの前で守った。新スター候補は「僕には一撃必殺のパンチもないし、井上尚弥君みたいなスペシャルな選手にはまだまだなれないけれど、ハートがある。僕にしかできないことにチャレンジしてクリアしたい」と新年号となる来年へ誓いを立てた。

 ▽伊藤―チュプラコフVTR 伊藤が冷静な試合運びを披露した。立ち上がりは頭を下げて密着する相手にてこずったが、中盤以降は的確なジャブとフットワークを生かしたワンツーから主導権を握る。5回からは出足の鈍った相手をロープ際に追い詰めて有効打を当て、7回の連打で一気に畳み掛けて仕留めた。チュプラコフは粘り強く食い下がるも、手数が少なかった。

 【伊藤 雅雪(いとう・まさゆき)】

 ★本名 伊藤 雅之。本名でデビューも、プロ2戦目の直前に交通事故にあい試合中止。先代会長の勧めで「雅雪」にリングネーム変更。

 ★生まれ 1991年(平3)1月19日生まれ、東京都江東区出身

 ★サイズ 身長1メートル74、リーチ1メートル79の右ボクサーファイター

 ★家族 高1から交際していた衣理香さん(28)と駒大在学中に結婚。4歳と2歳の娘2人がいる

 ★スポーツ歴 3歳から小6まで器械体操と水泳、小6からはバスケットボールに熱中し、駒大高へはバスケのスポーツ推薦で進学。運動能力は抜群

 ★競技開始 高3の秋に自宅から10分ほどの場所にあり、いとこが練習生だった伴流ジムに入会。当初は「大学生の間だけのつもりだった」

 ★動物好き 自宅で猫2匹とマイクロブタ1匹を飼育。実家にはゴールデンレトリバーがおり、亀やウサギを飼っていたことも。「家を動物園みたいにしたい」が夢

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