大学院生坂本、王者殴り倒す 国公立大出身で初の世界王者狙う

[ 2018年12月6日 05:30 ]

IBF世界フライ級タイトルマッチ   (王者)モルティ・ムザラネ《12回戦》 (同級15位)坂本真宏 ( 2018年12月31日    マカオ・ウィンパレス )

黒縁の伊達メガネで文武両道をアピールしつつ、世界戦へ意気込む坂本真宏
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 大学院生プロボクサー、坂本真宏(27=六島)が31日、マカオでIBF世界フライ級王者のモルティ・ムザラネ(36=南アフリカ)に挑戦することが5日、所属ジムから発表された。自身初の世界戦となる坂本は、大阪市大ボクシング部で競技を始め、現在は同大学院工学研究科に籍を置く異色ボクサー。廃部の危機にある母校ボクシング部の復活機運を高めるためにも、国公立大出身で初の世界王座を狙う。

 一世一代の勝負だ。あのノーベル賞学者、山中伸弥教授もかつて学んだ大阪市立大の大学院。坂本は静かなキャンパスで頭脳を磨きながら、拳も鍛えてきた。修士論文テーマ「陽極酸化チタン中空シートの水熱法による窒素ドープ」は一時中断。すべてをリングに注いでベルトを取る決意を見せた。

 「本当にうれしい。ボクシングを始めたときは考えられなかった。感謝を力に替えて、世界チャンピオンを殴り倒したい」

 後輩のためにも、負けられない。坂本が競技を開始した大阪市立大ボクシング部は現在、部員が2人まで減少。今年度で廃部する方向にある。「ぼくが世界を獲って、入部希望者が増えてほしい」。同部復活への起爆剤になるつもりだ。

 背負うものは他にもある。アマ実績はほとんどなく、才能の開花は大学院生とプロボクサーとの二足のわらじを履いてから。ムザラネとの世界戦が浮上しても、ジムOBで元世界王者の名城信男氏や担当トレーナーは当初、経験不足で時期尚早との考えだった。

 しかし、このチャンスを逃すまいと枝川孝会長らはタイトル承認料など「ウン千万円」とされる必要経費集めに奔走した。ベルト奪取後に、大阪市大体育館での防衛戦開催を視野に入れることを「セット条件」(同会長)として陣営はスポンサーを募集。大阪市大の荒川哲男学長らが橋渡し役となり、創業者の鳥井信治郎がOBであるサントリーなど約10社が支援を決め、資金にもメドがついた。

 実現過程を知る院生ボクサーは、腹をくくっている。7月に企業の内定を辞退し、坂道を走っては吐いた過酷なトレーニングにも耐え、国公立大出身で初の世界王者を目指す。

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