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元WBA世界Sフライ級王者・河野引退 来年1・12引退式

[ 2018年11月23日 05:30 ]

ジムで引退会見を開いた元WBA世界スーパーフライ級王者・河野公平(撮影・中出 健太郎) 
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 ボクシングの元WBA世界スーパーフライ級王者・河野公平(38=ワタナベ)が22日、都内で会見し、現役引退を発表した。

 「プロボクサーを引退します。燃え尽きたと思えるまでボクシングをやれて幸せです」

 18年前の同じ11月22日にプロデビュー。河野は「偶然なんですけど、運命を感じますね。あの日は20歳の誕生日の前日で“絶対に勝って20歳をお祝いする”って思ったら負けて…誕生日は一日中、泣いていた思い出があります。そんな自分が2度も世界チャンピオンになれたなんて信じられません」と振り返った。

 黒星で始まったボクサー人生だったが、地道に努力を積み重ねて07年2月に日本タイトルを獲得すると、同年10月にはOPBF東洋太平洋王者となった。12年12月には3度目の挑戦で念願の世界王座を獲得。翌13年5月に陥落も14年3月に再び王座に返り咲いた。

 戦う相手、舞台を選ばず、海外での試合も少なくない。15年10月にはシカゴで元3階級制覇王者の亀田興毅(亀田)を判定で下し、引退に追い込んだ。16年12月には6回TKO負けしたものの、井上尚弥(大橋)とも拳を交えている。

 数々の強敵と死闘を演じてきた河野だが、今年5月にジェイソン・モロニー(オーストラリア)に6回終了TKO負け。「負けた瞬間に終わりだなと思った。またボクシングをやりたくなるかなと思ったけど、気持ちが燃え上がってはこなかった」と引退を決めた理由を説明。一番の思い出としては、3度目の世界挑戦で念願のベルトを獲得した12年12月のテーパリット・ゴーキャットジム(タイ)戦を挙げた。

 「これが最後のつもりでやって、勝って最高でした。こんなにうれしいことがあるんだと…。18年間、思い通りにいかないこともあったけど、ボクシングとともに成長できたし、たくさんの出会いもあった。それも僕の財産になりました」

 今後については「ボクシング以外に熱くなれるものが見つからなくて…」と保留中だが、高校卒業後に鍼灸師の国家資格を取得しており、父の経営するカイロプラクティック治療院を継ぐことを考えている。来年1月12日に東京・後楽園ホールで引退式を予定しており、それまでには結論を出すつもりだ。

 6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)にあこがれ、風貌が似ていることから“和製パッキャオ”とも呼ばれた河野。「最高のボクシング人生でした」。そう話す顔は実に晴れやかで、未練や迷いはなかった。

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2018年11月23日のニュース