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長与千種“極悪”に屈せず!暴行被害も防御に徹し手は出さず

[ 2018年11月20日 05:30 ]

暴行を受けた北海道から帰京、報道陣の質問に答える長与千種(撮影・三島 英忠)
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 女子プロレスの「クラッシュギャルズ」として一世を風靡(ふうび)した長与千種(53)が19日、北海道札幌市の駐車場で妻とけんかになっていた男を止めようとして髪を引っ張られるなどの暴行を受けた。札幌中央署は暴行の疑いで北海道滝川市緑町1丁目、飲食店経営長谷川匡容疑者(27)を現行犯逮捕した。

 逮捕容疑は19日午前3時10分ごろ、札幌市中央区南4条西6丁目の立体駐車場で、長与の髪を手でつかみ頭を押さえ付けた疑い。

 この日夕、北海道から帰京し羽田空港で取材に応じた長与は「恐ろしい現場だった」と緊迫した当時の状況を説明した。18日に代表を務めるプロレス団体の興行を終えて弟子らと札幌市内でジンギスカンを食べてホテルへ戻る途中の路上で、「助けて!」という女性の悲鳴を聞きつけた。「無理やり車へ連れ込まれたり、レイプされていたら大変だ」と思い、弟子に警察へ通報させるとともに、別の弟子と近くの立体駐車場3階へ駆け上がったという。

 現場では、長谷川容疑者が妻を倒して首と足を押さえつけており「技でいえば、けさ固めのような形。妻はスカートがはだけていた。引っ張られたことによる擦り傷で血だらけだった」。同容疑者の体格は1メートル75ぐらいで中肉中背。「言葉遣いがオラオラしている感じだった」という。

 長谷川容疑者に対し「そういうことをやっちゃだめだよ」と説得したが、いきなり髪をつかまれ、地面に顔を押し付けられそうになった。その際に「ブチブチと髪が抜ける音がした」という。左手小指も強く引っ張られて負傷。はいていたジャージーももみ合った際に破れた。現場に向かってから道警が駆けつけるまで5分ほどの出来事で、同容疑者は当時、酒に酔っていたという。

 「もし手を出したら女子プロの歴史と現役レスラーを傷つけてしまう。絶対にそれはできない」と最後まで防御に徹したという長与。報道を受け、宿敵のダンプ松本(58)から「大丈夫?」と心配するメッセージが涙の絵文字付きで届いたという。自身の被害届は提出しておらず、長谷川容疑者へ「反省してほしい」と呼び掛けた。

 ≪クラッシュギャルズ伝説≫

 ▼結成 1983年、長与千種とライオネス飛鳥で結成。ダンプ松本率いるヒール「極悪同盟」に対峙(たいじ)するベビーフェース。必殺技はW正拳突き、Wサソリ固め

 ▼親衛隊 中高生の少女たちが熱狂し、各地に親衛隊が結成された。学校を休みプロレスを見に行く少女たちが問題となったことも

 ▼歌手活動 1984年発売の「炎の聖書」は約10万枚の売り上げ。コンサートは約20万人の動員。「夜のヒットスタジオ」など人気歌番組にも引っ張りだこだった

 ▼ブロマイド 1985年のブロマイド売り上げ1位。アイドルの菊池桃子や中森明菜を抑えての記録

 ▼髪切りマッチ 1985年8月、長与がダンプ松本と髪切りを懸けて対戦。長与が負けて丸刈りにされる場面では、大阪城ホールに少女たちの悲鳴が響いた

 ▼ゴールデンタイム クラッシュギャルズのブレークに女子プロレスはテレビコンテンツとしても人気に。84〜86年はフジテレビで午後7時から放送されていた

 ▼再結成 1989年に長与が引退し、解散したが2000年に団体を替えて再結成。再結成試合は9000人を動員した

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