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木村1回KOした男が5年半ぶりに復帰 ライセンスを再取得、念願の再デビュー「むしろ今がピーク」

[ 2018年10月30日 15:43 ]

5年半ぶりに再デビューする王子翔介
Photo By スポニチ

 前WBO世界フライ級王者・木村翔(29=青木)を1回KOした男が5年半ぶりに復帰する。王子翔介(27=E&Jカシアス)が31日に後楽園ホールで行われるフライ級4回戦の前日計量をリミットを100グラム下回る50.7キロで一発クリア。「めちゃ気合いが入ってます。相手に恨みはないけど、ボクシングなので…ぶっ飛ばします」と気炎を上げた。

 木村と拳を交えたのは2013年4月22日、お互いにプロデビュー戦だった。1回1分15秒KOの圧勝。敗れた木村はその後、着実にステップアップし、昨年7月に五輪2大会連続金メダルの鄒市明(ゾウ・シミン=中国)を敵地で破って世界王者となり、2度の防衛に成功。先月24日に田中恒成に敗れるまで無敗を続けた。一方の王子は直後に「いろいろな事情があって」ボクシングを離れてしまう。だが、ボクサーとしての魂はずっと持ち続けていた。

 ジムに通うことが出来ず、プロライセンスも失効したが、「いつ戻っても大丈夫なようにトレーニングは続けていた」。昨秋、ようやくボクシングが再開できる環境が整い、今年5月にプロテストを受験してライセンスを再取得。念願の再デビュー戦にこぎ着けた。

 王子は木村について「人としてもボクサーとしてもリスペクトしている。デビュー戦の負けから這い上がった姿は本当に尊敬できる」と語る。そして「今の彼に勝った訳ではないけど、彼に勝てたことは自分の中では自信になっていた」とボクシングができなかった時期に心の支えとなっていたことも明かした。

 まだ27歳。体力的な衰えは感じていない。「むしろ今がピークとさえ思える」と言うほど充実している。「やるからには世界まで、いつかたどり着きたい。今の自分の立場で言えることじゃないけど、木村さんとも対戦したいと思っている」。5年半の長いブランクを経て王子が再びスタートラインに立った。

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2018年10月30日のニュース