国体ボクシングで“審判宣誓”「公平公正な大会運営、ジャッジングを誓います」
スポーツの開会式といえば選手宣誓。「正々堂々と競技することを誓います」という、かつての定番フレーズは聞き覚えがあるところだ。しかし、4日に始まった福井国体のボクシング競技では、国内の大会では珍しい「審判宣誓」が行われた。
熱戦に先立ち、新たに審判委員長に就任した小坂則夫氏が内田新会長の前で、マイクを手に口を開いた。
「私は国民体育大会に出場するすべての役員、審判団を代表し、競技規則に則り、公平公正な大会運営、並びにジャッジングを行うことを誓います」
辞任した山根明前会長の体制下で、不正判定疑惑に揺れたアマチュアボクシング。公正な判定は競技の根幹に関わる問題だ。国体では16年岩手国体で、奈良の選手が岩手の選手に判定勝ちした試合結果に疑問の声が上がり、前体制の理事総辞職の引き金の一つにもなった。奈良県は山根前会長が理事長を務めていたことがあった。
小坂委員長は、前会長の体制下で「圧力で普通の審判の表現がなかなかできなかったという審判も確かにいました」と認め、「そういうことも払拭する意味で」と、審判宣誓の意図を説明。審判ミーティングでは「規定通りやってください。見た通りに。毅然としましょう」と訴えたという。
また、審判の配置についても、あえて機械的にした。「コンピュータに全部任せた。(人事が)疑われるのであれば、(幹部が決めることを)辞めましょう、ということ」。私的な意図が入り込む余地を、できるだけ取り除いた。
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