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名城氏 近大ボクシング監督へ 史上初!元世界王者が大学指揮

[ 2018年9月21日 05:30 ]

近大ボクシング部監督に就任することが分かった名城氏(左)
Photo By スポニチ

 史上初の元世界王者監督が誕生する。日本ボクシング連盟の山根明前会長の影響下で事実上、アマチュア指導者への道が閉ざされていた元WBA世界スーパーフライ級王者の名城信男氏(36)が、母校の近大ボクシング部監督に就任することが20日、関係者の話で分かった。時期は関西学生リーグ開幕前の来年4月が有力。国重憲司監督は、名城氏にバトンを渡す形で勇退する。

 元世界王者の名城氏は日本連盟から近大施設以外での指導禁止と試合会場への出入り禁止処分を科せられていた。だが、山根前会長ら旧理事の総辞職で9月8日に発足した新体制により処分は撤回されている。名城氏の監督就任に向けた最大の障壁は取り除かれた。

 すでにアマ資格申請の必要書類は提出済み。元プロがアマ資格を得るために必要な「引退後3年以上」という連盟規定も、14年4月に引退しているため完全にクリアしている。ある連盟幹部は名城氏へのアマ資格授与に「問題ないと思う」と話している。

 現役引退と同時に当時の赤井英和総監督の要請で近大コーチに就任した名城氏だが、アマ資格がなければセコンド入りができないなど、指導に厳しい制約があった。そのため監督就任を視野に17年度中にもアマ資格を申請する計画があった。

 だが、“山根判定”で物議を醸した16年岩手国体で問題が生じた。当時、アマ資格を所持していた近大監督が大会直前に日本連盟から「本部帯同」を命じられ、チームに同行できなくなった。そのため、コーチの名城氏が急きょ試合会場で近大選手のミット打ちの相手をしたところ、連盟登録をしていないなどの理由で山根前会長が問題視し、処分を断行。その後、近大側は処分の撤回を求めたものの門前払いが続き、名城氏のアマ資格申請は宙に浮いていた。

 関係者によれば、過去に元世界王者が大学ボクシング部監督になった例はないという。日本ボクシング連盟は23日に開かれる臨時理事会で、引き続き旧体制下で処分を受けた関係者の処分撤回などを話し合う予定だ。

 ◆名城 信男(なしろ・のぶお)1981年(昭56)10月12日生まれ、奈良市出身の36歳。奈良工高、近大でアマチュア経験を積んで03年7月プロデビュー。06年7月、WBAスーパーフライ級王座を奪取。一度陥落するが、08年9月に河野公平を破り同王座に返り咲き、2度防衛。14年4月に引退し近大コーチに就任。右ファイター。19勝(13KO)6敗1分け。

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2018年9月21日のニュース