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山中竜也 硬膜下血腫で現役引退 近く会見へ

[ 2018年8月24日 11:55 ]

<WBO世界ミニマム級>12R、左目から激しい流血をしながら前に出る山中竜也(撮影・井垣 忠夫)
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 ボクシングの前WBO世界ミニマム級王者・山中竜也(23=真正)が「硬膜下血腫」のため引退することが24日、関係者の話で分かった。所属ジムは近く会見を開く。

 2度目の防衛戦(7月13日、神戸市立中央体育館)でビック・サルダール(フィリピン)に判定負けし王座から陥落した後にめまいを訴え、検査を受けて判明した。数日入院したという。山中はこの試合で7回に右ストレートを浴び、ダウンを喫している。

 日本ボクシングコミッション(JBC)規定には「頭蓋内出血(硬膜下血腫等)と診断された場合、当該ボクサーのライセンスは自動的に失効する」とある。

 大阪府堺市出身。女手ひとつで育ててくれた母・理恵さんの経済的負担を気遣い、高校には進学せず中卒で入門。カツ丼店でアルバイトをして経済的に自立しながら、腕を磨いた。

 2012年にプロデビュー。昨年8月に福原辰弥(本田フィットネス)を判定で破り、世界初挑戦でWBO世界ミニマム級王座を獲得してから、わずか1年あまり。中学時代にボクシング漫画「はじめの一歩」に熱中して志したリングを、23歳の若さで去ることになった。戦績は16勝(5KO)3敗。

 国内ジム所属の世界王者経験者が試合後の頭蓋内出血により引退を余儀なくされるのは、元WBA世界スーパーライト級王者の平仲明信氏が1992年の初防衛戦後に脳内出血が見つかって以来、2人目。

 【山中竜也】(やまなか・りゅうや)1995年(平7)4月11日生まれ、大阪府堺市出身の23歳。小学校時代にボクシング漫画「はじめの一歩」を読んで興味を持ち、大阪・堺市立美原西中1年で近所の男性にボクシングを習う。当時から憧れは元世界3階級制覇王者の長谷川穂積氏。同氏が所属する真正ジムに中2の夏から通い、高校には進学せずジムの寮に住みこむ。12年6月にプロデビュー。16年11月に東洋太平洋ミニマム級王座獲得、17年8月に福原辰弥を判定で破り、WBO世界同級王座獲得。18年7月、サルダールに敗れ2度目の王座防衛に失敗。身長1メートル62・5、右オーソドックス。

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