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岩佐、王座陥落…最強挑戦者に完敗「結果が全て。これが現実」

[ 2018年8月17日 05:30 ]

IBFスーパーバンタム級タイトルマッチ   ◯(同級1位)TJ・ドヘニー《判定》(王者)岩佐亮佑● ( 2018年8月16日    東京・後楽園ホール )

<IBF世界スーパーバンタム級TM 岩佐亮佑・ドヘニー>11R、岩佐に左を当てる挑戦者(撮影・長久保豊)
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 無念の判定負けで岩佐亮佑が王座から陥落した。指名挑戦者のTJ・ドヘニーの前に本来の実力が発揮できないまま、判定0―3の完敗。2度目の防衛は果たせなかった。これで現役の日本人世界王者は5人。20戦20勝としたドヘニーはデビュー7年目の世界初挑戦で新王者となった。

 “聖地”の熱い声援に応えることはできなかった。12回の死闘を終えた岩佐は判定を聞く前にファンに向かって力なく頭を下げた。

 「負けたのは分かっていた。これが現実。悔しいと言えば悔しいけど、リングの上では結果が全て。僕が大きな壁を乗り越えられる人間じゃなかった」

 プロ2敗を喫していたサウスポーにまたも敗れて王座陥落。1回こそ右フックをヒットさせ、ドヘニーをぐらつかせる場面もあったが、描いていた展開とは違っていた。「もっとガンガン来るイメージだったけど、カウンター狙いを徹底してきた。俺の苦手なことをやってきた」と岩佐。勝負の鍵に挙げていた右ジャブが当たらず、本来のスタイルを発揮できないままズルズルと相手のペースに引き込まれた。有効打は多くはなかったが、ジャッジ3者はいずれも挑戦者を支持。完敗だった。

 元WBC世界バンタム級王者・山中慎介氏のような「愛されるチャンピオン」が目標だった。そのために何をすべきか?岩佐は長期防衛を掲げ「できることを全てやるしかない」と心に決め、練習内容や体調管理法などを見直した。パワーもスタミナも自信を持って臨んだはずの一戦だったが、結末は最悪だった。

 小林会長は「(ポイントで)負けているのに打ち込んでいく勇気がない。判定でもKOでも負けは負けなのに…岩佐に必要なのは覚悟」と切り捨てた。今後について本人は「今日の出来に自分でもガッカリした。また次とは言えない」と含みを持たせた。勝てば可能性があった海外進出の夢も消滅。岩佐のチャンピオン・ロードは「卒業したい」と話していた後楽園ホールで途切れた。 

 ◆岩佐 亮佑(いわさ・りょうすけ)1989年(平元)12月26日生まれ、千葉県柏市出身の28歳。中2でセレスジム入門。習志野高で高校3冠などアマ66戦60勝(42KO・RSC)6敗。08年8月プロデビュー。11年11月に日本バンタム級、13年12月に東洋太平洋同級王者。15年6月、IBF世界同級暫定王座決定戦でハスキンス(英国)に6回TKO負け。17年9月、小国以載に6回TKO勝ちでIBF世界スーパーバンタム級王座獲得。身長1メートル71.5、リーチ1メートル81の左ボクサー。

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2018年8月17日のニュース