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【浜田剛史の目】攻め続けた伊藤の勇気が好印象、「待ちのボクシング」で敗戦の経験生きた

[ 2018年7月30日 10:00 ]

WBO世界スーパーフェザー級王座決定戦12回戦   ◯同級2位・伊藤雅雪 判定 同級1位クリストファー・ディアス(プエルトリコ)● ( 2018年7月28日    米フロリダ州キシミー )

WBOスーパーフェザー級王座決定戦でディアスに判定勝ちし、喜ぶ伊藤
Photo By ゲッティ=共同

 予想以上に大差の採点は、常に攻めていた伊藤の勇気がジャッジに好印象を与えたためとみる。序盤にダウンを奪ったのが一番大きいが、打たれたら必ず打ち返したのも良いイメージにつながり、互角のラウンドでも伊藤にポイントが流れた。

 新人王の頃から見ている伊藤の印象は「待ちのボクシング」。終盤まで積極的には攻めず、打ってくる相手にカウンターを狙うスタイルで、それが影響して判定負けした試合もあった。しかし、この日は自分から打ちにいったことで、武器である右ストレートに体重が乗り、ワンツー止まりではなく3、4発の連打につながった。前に出たら強いディアスの良さを消すことにも成功した。敵地、不利の予想、負けた過去の経験などで戦い方を変えたのだろうが、全てが有利に働いた。

 今後は、100点の出来だった今回の戦い方に磨きをかけていくべきだ。カウンターで発揮していたタイミングのいいパンチを、攻撃的なスタイルでどう生かすか、楽しみだ。(元WBC世界スーパーライト級王者)

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2018年7月30日のニュース