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ボクシング助成金で不正流用か リオ五輪代表選手への240万円 不当な試合操作なども告発

[ 2018年7月29日 05:30 ]

成松大介
Photo By 共同

 16年のリオ五輪にボクシング男子ライト級で出場した成松大介(28=自衛隊、写真)に対して日本スポーツ振興センター(JSC)が15年度に交付した助成金240万円が、日本ボクシング連盟の指示で3等分されて別の2選手に80万円ずつ渡されていたことが28日、分かった。ボクシングで同年度に助成対象だったのは成松だけで、不正流用の可能性がある。JSCは今後調査する方針。

 関係者によると、成松は助成金を受けた際、日本連盟の山根明会長から「3人で分けるように」と指示された。今年に入って目的外使用の指摘があり、複数の連盟幹部が5月30日に成松と面談。「会長の命令っていうと、おかしくなっちゃうから」などと、成松自らが助成金を分配したことにするよう促す発言があった。翌31日には幹部から成松の口座に160万円が振り込まれた。山根会長は連盟を通じ「一切の取材をお断りしている」とコメントした。

 関係者らは試合の判定での不当な操作などもあったとして、告発状を28日までに文部科学省などに郵送した。本紙の取材では、不透明な独占販売も告発対象となっている。日本連盟は12年から、試合用グローブについて連盟の検定品以外の使用を不可とし販売店を1社に限定。その検定品は市場価格より2〜3割高く、代金振込先が山根会長の孫娘名義の口座だった時期もあったことから、不正を推認させるとしている。

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2018年7月29日のニュース