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尚弥 バンタムで具志堅超えだ!5・25世界最速3階級制覇挑戦

[ 2018年3月7日 05:30 ]

WBA世界バンタム級タイトルマッチ   王者ジェイミー・マクドネル≪12回戦≫同級1位・井上尚弥 ( 2018年5月25日    大田区総合体育館 )

具志堅氏の「V13」を超えたい、とポーズをとる井上
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 ボクシングの2階級制覇王者・井上尚弥(24=大橋)が6日に都内で会見し、5月25日に大田区総合体育館でWBA世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネル(31=英国)に挑戦すると発表した。WBO世界スーパーフライ級王座は同日付で返上した。勝てば日本人5人目、世界最速記録のプロ16戦目での3階級制覇達成。井上は新階級で元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高が持つ13連続防衛の日本記録更新を狙うことも宣言した。

 怪物がついに3階級制覇にアタックする。昨年末にバンタム級転向を決めた井上は「スケジュールが空いている王者はマクドネル」と標的を決定。1月末にオファーを出し、対戦を即内定させたという大橋秀行会長は「絶対に英国から出てこないと言われた選手」と細部の交渉で疲れた顔に笑みを浮かべた。

 「大きなチャンスをもらって満足しているし、やりがいがある」。井上が目を輝かせたように、実績も英国での人気もあるマクドネルはキャリア最高の相手だ。だが、それすらも通過点とばかりに「バンタム級での目標は具志堅さんのV13。この階級で更新を目指したい」と話して驚かせた。

 井上はバンタム級を「日本のファンに凄くなじみがあり、自分も小さい頃から見てきた階級。そのステージへ行けるのが楽しみ」と表現。記録を狙う理由を問われると、辰吉丈一郎、長谷川穂積、山中慎介の名を挙げ「日本のレジェンドと言われる先輩方が君臨してきた階級なので」と答えた。体重のリミットはスーパーフライ級の52・1キロに対しバンタム級は53・5キロと、わずか1・4キロ差。それでも減量に苦しんできただけに「筋肉の量を増やせるのは大きい」とメリットを強調し、父・真吾トレーナーも「スーパーフライ級の時よりもパワーが出ると思う」と説明した。

 勝てば井岡一翔の18戦を抜き、世界最速プロ16戦での3階級制覇達成となる。WBAバンタム級スーパー王者バーネット(英国)との統一戦も見据え「いい倒し方ができれば、英国での試合へいいアピールになる」。昨年の米国に続き、近代ボクシング発祥の地へ乗り込む意欲満々だった。

 ≪バンタム級王者の防衛記録≫具志堅用高は21歳だった76年10月、プロ9戦目でWBA世界ライトフライ級王座を獲得。80年10月、丸4年かけて日本記録となるV13を達成した。井上のバンタム級挑戦時と同じ25歳だった。バンタム級の国内最多防衛は元WBC王者・山中慎介のV12で、全階級を通じても具志堅に次ぎ国内歴代2位。王座奪取時は29歳、プロ17戦目で、17年3月のV12達成時は34歳、29戦目だった。井上は25歳1カ月で3階級制覇に挑戦。プロ16戦目での3階級制覇達成なら井岡一翔の18戦を更新する世界最速記録だが、達成時の年齢では亀田興毅の24歳1カ月に次いで国内2位となる。

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