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山中、ネリ対策練り上げた 相手得意の接近戦でも手応えあり

[ 2018年2月21日 05:30 ]

WBC世界バンタム級タイトルマッチ   王者ルイス・ネリ(メキシコ)《12回戦》同級1位・山中慎介 ( 2018年3月1日    東京・両国国技館 )

田中トレーナー(右)が持つミットに左ストレートを放つ山中
Photo By スポニチ

 再戦で王座奪回を狙う前WBC世界バンタム級王者・山中慎介(35=帝拳)が20日、都内の所属ジムで練習を公開し、2ラウンドのスパーリングを披露した。昨年8月のルイス・ネリ(23=メキシコ)との初戦では上体が浮いたまま打ち返そうとして相手の連打にのみ込まれ、4回TKO負け。今回は相手が得意とする接近戦でも対応できるスタイルを取り入れ、ガードを固めてのブロックなど、防御面を修正した成果もうかがわせた。

 打ち終わりにグローブを戻す。接近戦では重心を落として受け身にならず、ガードを上げて連打をはじく。攻撃の隙を突いてボディーへストレート。「ネリにリベンジすることだけ考えて、今までになかったぐらい充実していた」。世界ランカーのフィリピン人パートナーとの山中のスパーリングには、中身が詰まっていた。

 「今まではいいところを伸ばそうとやってきたが、今回に限っては反省材料をプラスした」。帝拳ジムの浜田剛史代表が話したように、“神の左”を武器に攻撃重視で12度の防衛を重ねた山中が、防御にフォーカスして取り組んだ。その一つが、ネリが距離を縮めて連打してきた際に、あえて迎え撃つ接近戦だ。

 受け身のまま無理な体勢から反撃を試みて打たれっ放しになった初戦を反省。再戦決定後の練習では上体や足だけを動かすのではなく、股関節を使う動きを意識し、常に下半身に力が入るように修正した。力が入ればガードを固めて踏ん張れるし、カウンターの威力も増す。従来はなかったショートパンチやボディーも武器に加えた。「下(半身)で相手の威力を吸収して、下で打ち返す。機能すると思う」。前戦まではチーフセコンドで今回も山中をサポートする大和心トレーナーは自信を口にした。

 基本は踏み込みが生きる長い距離での戦いだが、浜田代表は「得意の接近戦でも打ち返されたらネリは距離を取らざるを得ない」と指摘する。「今は何の迷いもない。修正してきた部分を出して、勝って泣かずに笑ってリングを降りたい」と山中。雪辱への道筋はハッキリ見えている。

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2018年2月21日のニュース