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【浜田剛史の目】本物が出てきた、比嘉は待ち望んでいた沖縄ファイター

[ 2018年2月5日 07:30 ]

WBC世界フライ級タイトルマッチ12回線   ○王者・比嘉大吾 KO1回2分32秒 同級9位モイセス・フエンテス● ( 2018年2月4日    沖縄県立武道館 )

比嘉の強烈な左ボディーに顔をゆがめるフエンテス(右)
Photo By スポニチ

 比嘉が高い対応力を示した。フエンテスは初回から捨て身で前に出てきた。ファイターの比嘉を前に出させないのが狙いだった。

 だが、比嘉は冷静だった。正面衝突を避け、引きつけてタイミングを計った。そして相手の右に対して、カウンターの右を効かせたことで主導権を握った。顔面でもいいし、ボディーでもいいし、外してから打ってもいい。攻めの選択肢が広がった。相手はキャリアのある選手なので中盤以降の勝負を予想していたが、勢いの差が出た。

 30年以上前の私の連続KO記録に並んだわけだが、強い相手に勝ってきたことに価値がある。本物が出てきたという印象だ。こんな選手が記録をつくるべきだと思っていた。

 最近はきれいなボクシングをする選手が増えたが、比嘉のボクシングは打った方が勝つ、倒れるまで打つ、分かりやすいスタイル。こんな沖縄ファイターを多くのファンは待ち望んでいたと思う。(元WBC世界スーパーライト級王者)

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2018年2月5日のニュース